お歳暮とは

今年も残すところ、あと1ヶ月あまりとなりました。

梅の花が咲き始めるこの季節は、梅初月と呼ばれ、全ての人々が新たな年に向けて準備を着々としています。

日本では、暮れが近くなると、デパートや百貨店などでは、今年1年間お世話になった方への感謝の気持ちを込めて贈る年中行事「お歳暮」の受付が始まり、冬の風物詩となっています。

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ところで、なぜお世話になった方へお歳暮を贈るのかと、ふと疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、今回はお歳暮とは何か、その起源や歴史についてご説明したいと思います。

お歳暮の起源や歴史

お歳暮とは、年の暮れにお世話になった方へ感謝の気持ちを込めて贈り物を持参して回る「お歳暮回り」の習慣が、時代の流れと共に変化し、贈答品自体が「お歳暮」と呼ばれるようになり、現在に至ります。

お歳暮の起源は、新たな年を迎える際にやってくる年神様へのお供え物だと言われており、おせち料理や鏡餅などは全て年神様をお迎えする準備のひとつなのです。

また、古来より日本では、お正月はご先祖様の霊を祀るためにお供えをする習慣があり、年神様をお迎えするための準備やご先祖様の御供養を行うため、子どもは親へ、分家は本家へとお供え物の品を贈り、「贈った品物も共にお供えしてください」という意味を込めてというのが本来のお歳暮なのです。

そのため、当時のお歳暮は大晦日に贈るものであり、品物は鮭や鰤などの生臭物やお餅などの食べ物を贈るのが常識だったそうです。

江戸時代になると、武士たちは組合を作り、組合の頭へ贈り物をするようになります。

これは1688年の「日本歳時記」には「下旬の内、親戚に贈物して歳暮を賀す。また、知れるところの鰐寡孤独貧困苦の者にも、我が力に随って財物を賑わうべし。我にかつて恩恵ある人、師伝となれる人、我が身及び歌人の病よ療せし医師などのも分に随いて厚く物を贈るべし。疎薄なるべからず。かようのことは、軽くせんか重くせんかと疑いて決しがたくは、重きにつくべし。吝嗇 (りんしょく)なるべからず。」とあります。

この言葉には、今までお世話になった方々に対し、あなたが出来る最大限の感謝やお礼の気持ちを込めてお歳暮を贈ること。そして、お歳暮を贈ることを面倒に思ったり、物惜しみすることはいけませんよという意味が込められており、この精神は、現代のお歳暮にも脈々と受け継がれています。

また、お歳暮の起源にはもうひとつあり、江戸時代のころに誕生した企業間の取引形態が由来という説もあります。

江戸時代の商品代金のやりとりは、即金ではなく、一定の期日に代金を受け取るという掛売りが一般的であり、お盆と暮れの時期に半年分の料金を一括で支払っていました。その支払いの際、日頃の感謝とお礼を込めてお中元やお歳暮を贈り、信頼関係を築いていたと言われています。

今回はお歳暮とは何か、その起源や歴史についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

お歳暮に関する起源や歴史を知ることで、毎年贈っているお歳暮に対する心持ちが変化したのではないでしょうか。お歳暮とは、今年1年お世話になった方へありがとうの気持ちを込め、来年もよろしくお願いしますという意味が込められておりますので、現在ではお中元よりも重要視されている年中行事となっています。

まだ、お歳暮を誰に贈ろうか悩んでいる方は、1年を振り返り、お世話になった方へ真心を込めて最高の品物を贈ってみてはいかがでしょうか。

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