成人式の歴史や由来

1月の第2月曜日は成人式ですが、皆さんは成人式の歴史や由来についてご存知でしょうか。

1948年に制定された成人の日には、戦後の国作りの一環として優秀な人材を育てるために、子どものうちから大人の自覚を育てようという先人たちの願いが込められています。

では、いつ頃から成人式が執り行われるようになったのでしょうか。

日本の成人式の歴史と由来

日本では、成人の日祝う風習が古くから存在し、男性は髪を結い、冠や烏帽子を被り、服装を改め、周囲に成人したことを示したり、幼名を烏帽子名へと改名する風習も盛んに行われていました。
一方、女性は「裳」と呼ばれる下半身に纏う衣服を身に着ける裳着、髪を結い上げる髪上、歯を黒く染めあげる鉄漿付けを行い成人の礼儀としていました。

これらの成人の儀式は貴族などの身分の高い人々の間で行われていたものであり、各地の村人たちの間では彼らが定めた成人の儀が執り行われていました。

村人たちの成人の儀は、成年式や成女式と呼ばれ、現代とは全く異なり、「1日に60kgの芝を刈って12km売り歩けたら一人前の男」や「米俵を1人で運べるようになったら一人前」、「鹿を1人で狩れるようになったら大人」など年齢問わず、ユニークな条件を満たした者ならば10歳でも17歳でも成人として認めてもらえたそうです。

また、日本各地で頻繁に行われていた成人の儀は、13歳前後に行われていた「褌祝(へこいわい)」であり、1人前になった証として、男の子たちは親戚の女性から褌をプレゼントされ、締めていたそうです。

明治時代になると、男の子は兵役に就く義務が課せられるようになり、その際受ける徴兵検査が成人の儀となり、成人式制度のきっかけとなったのです。
終戦後、兵役義務が無くなり、以前よりも豊かな国を作り上げるために、誕生したのが「成人の日」であり、国民の祝日に関する法律によって1948年に正式な祝日に制定されました。

成人の日が1月15日から1月の第2月曜日になった理由とは?

現代の成人式は、2000年のハッピーマンデー法によって、1月15日から1月の第2月曜日となりました。
理由は様々ですが、阪神淡路大震災が1月17日に起こり、防災とボランティアの日が制定されたことで、1月15日を成人の日としたままにしてしまうと、元日が土曜日だった場合、株ってしまうため、1月の第2月曜日を成人の日と定めたそうです。

現代の成人式事情

成人の日が1月の第2月曜日になったことで、日本各地の自治体は成人式へ参加する新成人を確保するため、成人式を日曜日に催したり、有名なテーマパークで開催するなど様々な対策を行っています。

また、豪雪地帯では1月に成人式を執り行わず、夏休み期間中の7月から8月に催したり、大学の長期春休みを狙って3月に行う自治体もあります。

成人式を行う日を工夫することで、成人式への出席率が平均50%ほどだったのが、ここ数年で出席率が70%から80%にまで回復しているそうです。

今回は成人式の歴史や由来についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

成人式は、一生に1度の一大イベントです。21世紀になり、新成人の成人式のマナーの悪さが目立ち、周辺住民や式典の関係者に迷惑をかける方々も少なくありません。
新成人の方々は、どういった経緯で成人の日が誕生したのか、成人式とはどういうものなのかを今一度考え、未来の子どもたちに恥じぬ、素晴らしい大人になりましょう。

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