日本酒のテイスティング|香りについて

日本酒の複雑な香りについて

日本酒は他のお酒とは異なり、複雑な香りを持つお酒として国内外から人気の高い日本伝統のアルコール飲料です。

日本酒の主体となる香りは全部で4種類あり、それぞれ特徴が異なります。

日本酒の香りとそれぞれの特徴

華やかな香りの特徴

華やかな香りを持つ日本酒の特徴は以下の通りです。

精米歩合 50%以下
つきはぜ
酒母 速醸系
酵母 吟醸酵母9号・10号系
発酵温度 極低温の10度前後
アルコール添加
火入れ 問わない
割り水 少なめ
熟成 1年以内

華やかな香りは、熟れた甘い果実や強めの芳香を持つ花に喩えられることが多く、甘くて女性の心を惹き付け、幸せな気分にしてくれる日本酒です。

爽やかな香りの特徴

爽やかな香りを持つ日本酒の特徴は以下の通りです。

精米歩合 50%から60%
問わない
酒母 速醸系
酵母 吟醸酵母9号・10号
発酵温度 低温15度前後
アルコール添加
火入れ
割り水 問わない
熟成 1年以内

爽やかな香りは、若々しく酸味の強めなフルーツやフレッシュハーブや鮮やかなグリーンの葉に喩えられることが多く、爽酒タイプに多い傾向があります。
フルーツの香りとグリーンの香りがスッキリとした爽やかさを演出するリフレッシュタイプの日本酒です。

穏やかな香りの特徴

穏やかな香りを持つ日本酒の特徴は以下の通りです。

精米歩合 60%以上
総はぜ
酒母 問わない
酵母 6号・7号
発酵温度 低温15度前後
アルコール添加
火入れ
割り水 普通
熟成 問わない

穏やかな香りは、お米などの白い穀物や苦みのある野菜、木炭や石清水などの鉱物系、ナッツ類に樹木などに喩えられることが多く、主に醇酒タイプがこの香りを持っていると言われています。
刺激が抑えられており、落ち着いた香りを持っているため、疲れた心と身体を癒してくれる日本酒です。

ふっくらとした香りの特徴

ふっくらとした香りを持つ日本酒の特徴は以下の通りです。

精米歩合 60%以上
総はぜ
酒母 生もと系
酵母 6号・7号
発酵温度 低温15度前後
アルコール添加
火入れ
割り水 少なめ
熟成 1年以上

ふくよかな香りは、こんがりと香ばしい穀物や乳製品、スパイシーな香辛料に喩えられます。主に醇酒や熟酒がこの香りを持っていると言います。強い旨味を感じさせる香りは日本酒本来の香りであり、素材の良さを引き立たせています。

今回は日本酒のテイスティングのチェック項目「嗅覚」についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

日本酒は、瓶から酒器に注いだときに感じる「トップノーズ」や「立ち香」・酒器を回して空気に触れた際に薫る香り・酒器に残っている僅かな日本酒から感じられる「残り香」の3つを楽しむことができます。

日本酒の香りはとても繊細なため、この香りの移り変わりを楽しみながら味わうのが通の嗜み方の1つでもあります。あまり日本酒の香りについて気にしていなかった方は、是非1度日本酒の香りを感じてみてはいかがでしょうか。

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