お正月とは、新しい年の始まりであり、新年の神様と呼ばれる年神様をお招きする行事のことです。
現在は、1月1日から1月3日までの年頭の祝いを行う三が日、もしくは、1月1日から1月7日もしくは15日までの松の内期間のことを「お正月」と呼んでいます。
お正月は年神様をお迎えする日本伝統行事の1つですので、大晦日に煤払いを行ったり、門松や注連縄、鏡餅といったお正月飾りを用意して年神様をお迎えする準備を行います。
また、元旦には宮中や全国各地の神社にて「歳旦祭(さいたんさい)」が執り行われます。
天神地祇に祈りを捧げる歳旦祭
歳旦祭とは、宝祚の無窮・五穀豊穣・国民福祉を天皇の先祖である皇祖、天神地祇に祈りを捧げる祭祀のことです。
年神様は1月1日の朝、つまり「元日」にやってくるので、新年早々お寝坊するというのは、言語道断です。
年神様は、「歳徳神」や「正月様」と呼ばれており、日本で最も古くから祀られている農耕の神様であり、祖霊を含みます。
年神様の「年」には、稲という意味が含まれており、稲が実り、ひと巡りする期間を「年」と言います。お正月飾りの定番である鏡餅・丸餅・米俵・稲穂は、元旦に恵方の方角からやってくる年神様の依り代としての役割を担っており、元現在でも鏡餅を床の間に飾る風習が残っています。
日本伝統行事の1つであるお正月ですが、元々は紀元前17世紀から紀元前1046年の中国・殷の時代に誕生した年末年始の神様やご先祖様を祀る活動が起源だと言われています。
中国から伝わったこの行事は、当時日本で行われていた夏のお盆と対応し、半年毎にご先祖様を祀る行事として行われるようになり、その後、日本国内で仏教の影響力が高まったことで、お盆が仏教行事の盂蘭盆会と習合し、いつしか先祖供養行事となってゆきます。
一方、お正月は、日本に古くから祀られている農耕の神様「年神様」をお迎えし、新たな年の豊作を祈る「神祭り」として行われるようになったのです。
お正月とは、古くから行われている日本伝統行事ではありますが、起源は中国であり、日本ンと中国の文化が絶妙に融合して誕生した行事でもあります。
最近では、自宅でお正月を迎えず、年神様がやってくる恵方にある神社へ足を運び、初詣へ行く若者も大勢いらっしゃり、かたちは違えど、お正月をお祝いする気持ちは、昔も今も変わらないことが分かります。