「爽やかな香りとお米の旨味が広がる」や「常温ではほんのりと酸味が感じられ、お燗にするとまろやかになる」など日本酒の香りや味わいを明確な言葉で表現し、日本酒を注文される方へ明確なアドバイスをする方々を見かけたことはありませんか?
香りや味わいに特徴を持ったお酒は世界中にごまんと存在しますが、複雑に絡み合う独特な香りと味わいを併せ持つお酒は日本酒以外存在しません。
そのため、その日本酒の産地や銘柄、ラベルに表記されていることだけでは、その日本酒が持つ香りや味わいを全て伝えることはできません。
しかし、日本酒の持つ奥深い独特の風味を物理的かつ感覚的に総合して表現を行うためにテイスティングを行う「利き酒師」や「酒匠」の資格を持つ方々がいらっしゃいます。
しかし、日本酒の正確なテイスティングを行うことを生業としている利き酒師や酒匠の方々は、どんな日本酒を購入したら良いか悩んでいる方への明確なアドバイスや日本酒を販売する企業の商品開発、日本酒に適した酒器や料理の組み合わせなど仕事でもプレイベートでも活かすことができるため、今注目の集まっている資格でもあります。
ですが、テイスティングの主な目的は、お酒を販売しているお店やお酒を提供している飲食店で取り扱われている日本酒の品質管理やお酒の特徴を判別して的確に情報を伝えることなどですので、日本酒の欠点を見つける厳しい減点法を用いて行われるため、お酒を楽しく飲むことはできません。
このような難しいテイスティングはプロの方々にお任せし、今回は自分自身に合った日本酒を探すためのテイスティング方法をご紹介し、心の底から日本酒を楽しむためのポイントをご紹介したいと思います。
自分に合う日本酒を見つけるためのテイスティング方法とは?
数々の日本酒を飲み漁ったにも関わらず、なかなか自分の味覚に合うお酒に出会えないという方は、テイスティング技術を磨き、ご自身の味覚に合うお酒を探し出したり、新しい発見をしてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介するのは、利き酒師や酒匠といったプロの方々が故成っている減点方式ではなく、純粋にお酒を楽しみながら行うアマチュアのテイスティング方法ですのでご安心ください。
まず、テイスティングの基本ですが、日本酒では「見た目・香り・舌に感じる味わい」の3つからお酒の特徴を表現することになります。
つまり、五感のうち視覚・嗅覚・味覚の3つを活用することになります。
では、基本のテイスティング方法をご紹介します。
【日本酒のテイスティング方法】
①白色のお猪口へ日本酒を注ぎます。
②視覚を使って外観をチェックします。
チェックする部分は多いですが、基本は透明度・色調・粘性の3つになります。
③嗅覚を使って香りをチェックします。このとき、お猪口に鼻を近付けて日本酒から漂ってくる匂いを嗅ぎます。近付け過ぎてお猪口の縁に鼻がぶつからないように注意してください。
④味覚を使って味わいをチェックします。
稀に一気に飲んでしまう方もおられますが、テイスティングを行う場合はお酒を少しだけ口に含み、息を軽く吸い込みながら舌の上で転がして味わいます。
このときに感じる日本酒の香りを「基調香」と呼びます。
また、お酒を飲み込んだ後に口や鼻から日本酒の香りがスーッと抜けてゆくのを感じるかと思います。それを「口中香」や「含み香」と呼びます。
以上が日本酒のテイスティングを行う基本です。
このテイスティングの基本はプロの方々も実践していらっしゃる方法でもあります。
これから日本酒で新しい発見をしたいという方や自分に合う日本酒を探し出そうとお考えの方は、この基本をマスターされることをオススメします。
今回は日本酒のテイスティング方法の基本についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
テイスティングの基本を重ねてゆくことで五感が鍛えられ、さらにこれから利き酒師や酒匠の資格を取得するための訓練にも繋がります。
基本をマスターされた方は、より詳しいテイスティング方法をご説明させて頂きたいと思います。