熟酒とは、日本サービス研究会・酒匠研究会連合会が定めた4つのタイプのうち、最も香りが強く味の濃い日本酒です。
熟酒という名の通り、日本酒を何年も寝かせて十分に熟して造られる日本酒のため、練られた香りと豊かで潤いのある味わいを持つ古酒や秘蔵酒のことを指します。
一般的に日本酒は透明感のある美しいお酒という印象をお持ちの方が多いかと思いますが、熟酒の場合、3年以上かけてじっくり長期間熟成されるため、お酒の色が淡黄色もしくは褐色に色付くのです。その姿は、まるで、黄金に輝く小判や金塊を思わせるような美しい色彩です。
なぜ、日本酒が黄金色に変化するのかと言いますと、日本酒に含有されている成分によって酸化と分解が発生するからです。
そのため、熟酒は他のタイプと比べて、苦みや旨味が強く感じられ、濃厚で独特な味わいを持つ日本酒となります。
熟酒の特徴とは
では、熟酒の香りや味わいに関する特徴まとめてご紹介します。
香り
熟酒の香りは、独特なものが多いです。
一般的にはドライフルーツや香辛料などの複雑な香りを持っており、練れた熟成香が特徴です。
他にも熟酒の香りの特徴をまとめてみました。
・干したフルーツ
・稲穂
・稲藁
・ナツメグ及びシナモンなどの香辛料系
・お香
・焼き栗及び胡桃などのナッツ類
・マイタケやシメジなどのきのこ系
・メープルシロップ
・蜂蜜
・チョコレート
主に豊かな香りや強めの香りを感じさせる日本酒となります。
味わい
熟酒は長期間熟成されて完成するため、重厚感とふくよかで潤いのある独特な味わいが特徴です。また、とろっとした舌触りもあるので、初めて飲まれる方はちょっぴり抵抗があるかもしれませんね。
しかし、練られた旨味と甘みは1度味わったらクセになると言われています。
では、熟酒の味をまとめてみましょう。
トロリとした舌触りとはんなりと感じされる甘み、そしてしっかり練れた酸味が絶妙に混ざり合い、心地良いハーモニーを奏でます。
香辛料やナッツのような香ばしさも感じられ、熟成した複雑な旨味と相まって口の中に広がります。
日本酒を飲んだという余韻がたいへん長く感じられるので、日本酒愛好家からも大変人気があります。