日本酒貯蔵出荷による味わいと香りの違い

日本酒の香りや味わいの違いは、お米などの原材料や酒母造りや上槽などの工程によって変化するとご紹介させて頂きましたが、なんと日本酒を貯蔵に使用される容器や出荷のタイミングによっても日本酒の香りや味わいが変化することをご存知でしょうか。

そこで、今回は日本酒の香りや味わいを変化させる貯蔵の容器や出荷のタイミングについてご説明したいと思います。

貯蔵の容器による日本酒の香りや味わいの違いとは

春に絞られた新酒は、1度目の火入れが終わると、貯蔵用の専用タンクに移されて秋口まで大切に保管されます。
このとき、貯蔵に使用される容器によって日本酒の香りや味わいが大きく変化します。
多くの場合、巨大なタンクの中で室温や湿度を徹底管理された中で大切に貯蔵されるのですが、木の樽を使用した「樽酒」や18リットルの斗瓶に注いで貯蔵される「斗瓶囲い」という方法で保管されることもあります。
それでは、樽酒と斗瓶囲いによる貯蔵によって日本酒がどのように変化するのかをご紹介します。

樽酒

樽酒といえば、菊正宗酒造株式会社が頭に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
菊正宗酒造の樽酒は、辛口の本醸造酒を四斗樽へ詰め、樽の素材として使用している吉野杉の香りが日本酒に馴染む頃に取り出し、瓶に詰めて出荷しています。
木樽で貯蔵された日本酒は、吉野杉の清々しい爽やかな香りとキリリと引き締まった喉越しが堪らない逸品です。
日本酒愛好家の間では古くから親しまれており、樽酒独特の樽香には健康増進効果があると言われるセドロールなどの成分が含まれており、健康志向の方々の間でも話題となっています。

斗瓶囲い

斗瓶囲いとは、搾り立てのお酒を一斗(18リットル)入りの瓶へ詰め込み、そのまま貯蔵する方法です。主に袋吊りによって搾られた最高級清酒を貯蔵する際に用いられます。
斗瓶囲いを飲んでみたいという方は、吉田酒造の「大吟醸 白龍 斗瓶囲い」はいかがでしょうか。
「酒米の王様」山田錦を精米歩合40%まで磨き上げ、大吟醸で最もおいしいと言われる真ん中の原酒のみを木綿袋へ入れて、袋吊りにし、自然と滴り落ちる酒のみを1本1本丁寧に斗瓶へ詰め込み、9か月間長期低温貯蔵で保管された至高の逸品です。
しかも、この日本酒は濾過も水も一切加えていない、搾ったままの穢れの無い生酒ですので、誕生したての大吟醸の旨味や味わい、そして清新感が損なわれずに、そのまま堪能することができます

貯蔵によって日本酒の香りや味わいが大きく変化することをご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
タンク貯蔵の日本酒も安定した味わいが愉しめますが、吉野杉を使った木樽の中で貯蔵されるお酒や一斗瓶に詰めて大切に貯蔵されたお酒も絶品ですので、この機会に1つ購入してみてはいかがでしょうか。

出荷のタイミングによる日本酒の香りや味わいの違いとは

日本酒造りは、寒さの厳しくなる冬の季節から早春にかけて行われ、通年を通しておいしく召し上がることができるお酒です。
そんな日本酒の魅力はなんといっても、時間の経過と共にゆっくりと香りや味わいが変化して行くことです。
例えば、できたてホヤホヤの清酒と1年後の清酒では同じ銘柄のお酒でも香味が全く異なります。
そのため、ヒトによっては、できたてホヤホヤのフレッシュな新酒が好きだったり、じっくり熟成された古酒が好きだったりと好みが大きく分かれます。
また、日本酒は火入れを行うことで、香味の変化をさせないように配慮しているものもあるため、通年を通してほぼ香味の変化が起こらないものもあります。

そこで、今回は日本酒の出荷タイミングによって香りや味わいがどのように違うのかをご紹介したいと思います。

【新酒】

日本酒造りが始まり、1番最初に出荷されるのが「新酒」または「しぼりたて」と呼ばれるお酒です。
新酒は酒造年度内に出荷されるお酒のことを表す言葉なのですが、主に1月から5月にかけて出荷されるお酒のことを「しぼりたて」や「新酒」と表すことが多いようです。
新酒の特徴は、上槽したての若々しくてフレッシュな味わいを持っており、この時期でしか味わうことができないという特別感があります。しかし、新酒の欠点はご家庭で保管することができないことです。
新酒の中でも特にオススメなのが「立春朝搾り」と記された日本酒です。
このお酒の特徴は、文字通り立春を迎えた朝に搾った清酒を瓶に詰め込んで出荷しましたという証ですので、まさにできたてホヤホヤの新酒です。
新酒好きな方は、「立春朝搾り」を購入してみてはいかがでしょうか。

【ひやおろし】

春先に完成した日本酒は、温度や湿度を徹底管理された場所で大切に保管され、太陽がギラギラと輝く夏の暑い季節を越します。そして、暑さも弱まり、9月から11月頃になると冷やの状態で卸したお酒が出荷されます。
このお酒を「ひやおろし」または「秋あがり」と呼びます。
この時期のお酒は、新酒とは異なり、夏の間眠らせることによって、ちょっぴり熟成が進むことで、香りや味わいが整うため、とてもバランスの良い味わいを持つ日本酒となります。
ひやおろしは、落ち着いた穏やかな香りと混じり気のない濃い味わいを持っており、さらに、ほんのりと新酒のようなフレッシュ感を持っているのが特徴です。

【古酒】

古酒とは、酒造年度内に出荷されなかった前年度に造られた日本酒のことを表すのですが、現在では3年・5年・10年など長期間熟成されたお酒を「古酒」と表すことが多いようです。
古酒といえば、沖縄県の地酒「泡盛」がおいしいと有名ですが、日本酒の古酒もおいしいものがたくさんあります。

天保6年に創業の日本酒・古酒の蔵元「達磨正宗」では、3年・5年・10年・20年の古酒を醸造しており、現在は海中熟成酒というプロジェクトを起ち上げ、1979年に醸造された日本酒30本を海へ沈めて熟成させた「海中熟成酒・蔵内熟成酒飲みくらべ」2本セットなどを販売しており、日本酒の持つ無限大の可能性を広げています。
達磨正宗では、1975年から現在までの日本酒を取り揃えており、古酒独特の円熟した味わいが愉しめます。主に誕生日祝いなど特別な日の贈り物として購入される方が多いそうです。

いかがでしたか?
出荷のタイミングによって若々しくフレッシュな味わいをもつ新酒や上品で落ち着いた大人の雰囲気が漂うひやおろし、そして黄金に輝く美しい色彩と円熟した味わいを持つ古酒など様々な種類があります。
しかし、どのお酒も異なる魅力を持っており、愉しみ方や味わい方も違います。
この機会に様々な日本酒に挑戦し、それぞれの香りや味わいの違いを感じてみてはいかがでしょうか。

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