日本酒の4つのタイプ「爽酒」の紹介
今まで古酒や秘蔵酒が属する「熟酒」、日本酒のルーツと言われる「醇酒」、優雅な香りとスッキリとした後味を持つ「薫酒」をご紹介させて頂きましたが、遂に日本酒の4つのタイプを構成している最後の1つ「爽酒」をご紹介したいと思います。
爽酒とは、日本酒の中で最も軽やかな香りと味わいを持つ飾り気の無いシンプルなお酒です。
熟酒や薫酒など他のカテゴリーとは異なり、一部の吟醸酒や新酒をはじめ、本醸造酒や生貯蔵酒、生酒など特定名称を持たない珍しいタイプです。
ですが、米処として知られる新潟県などで造られている日本酒は爽酒の代表として知られています。また、一部の低アルコール酒も爽酒に分類されることがあります。
特定名称の日本酒を持たない珍しい爽酒とは、いったいどのような香りと味わいを持つお酒なのでしょうか。
爽酒の香りと味わいの特徴とは
爽酒は口当たりが柔らく、飾り気のない、清らかでさっぱりした味わいを持つお酒です。
主に生酒や本醸造酒がこのタイプに分類されますが、新酒や生貯蔵酒などもこのタイプに含まれることがあるため、「爽酒ならこれ!」と言える特別名称の日本酒を挙げることが、なかなかできません。
そんな爽酒の香りと味わいについてまとめてみましたのでご紹介したいと思います。
香り
爽酒の香りは、とっても控えめなので、他のタイプの日本酒と比べるとインパクトに欠ける部分があります。
ですが、爽酒の香りはジューシーでフレッシュな香りがほんのりと漂う若々しいさがあります。そのため、純真無垢な印象を持たれる方が多いようです。
爽酒の香りの表現をまとめてみましたのでご紹介します。
・山桃
・枇杷
・水梨
・葡萄
・レモン
・ライム
・青リンゴ
・サクランボ(チェリー)
・柚子
・青梅
・グレープフルーツ
・桜の花
・蓮華
・藤の花
・岩清水
・ゼンマイ
・大根
・三つ葉
・松の実
爽酒の香りは、瑞々しく爽やかな香りを持つフルーツや花に喩えられることが多く、初夏の青々と茂る木々のようなフレッシュ感を感じる方が多いようです。
味わい
爽酒は、薫酒同様、淡い色調のものや水晶のように透き通った日本酒が多く、酸味や苦みが少ないのが特徴です。
ですが、薫酒のように優雅な香りはなく、あっさりとした控えめな香りと新鮮で清々しく、穏やかで瑞々しい味わいをしています。
日本酒独特のクセが少ないので、軽やかでさらりとした舌触りと新鮮な酸味がほどよく舌を刺激し、キレの良い後味で余韻も少なく、さっぱりしています。
そんな爽酒の味わいの特徴をもう少し細かくご説明したいと思います。
日本酒独特のアルコール感が穏やかに感じられるため、さらりとした食感が感じられます。
ほんのりと優しい甘みと新鮮な酸味、そして岩清水のようなミネラル感が絶妙な調和を生み出し、スッキリとした爽やかな味わいを持つお酒となっています。
旨味が少ないので、キリっとしたシャープな後味がクセになります。
爽酒の香りや味わいの特徴から、どのような料理とも相性が良く、食前酒や食中酒として活躍できることが窺えます。
今回は爽酒の香りや味わいについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
爽酒は日本酒にも関わらず、穀類の香りがほとんどせず、独特の旨味も感じられないため、日本酒が苦手な方でもおいしく嗜むことができます。
もし、これから日本酒を嗜もうとお考えの方は薫酒または爽酒から始めることをオススメします。