オススメ夏酒|白隠正宗誉富士純米

現在、全国におよそ1,600の酒蔵があり、そのうち商品として流通している日本酒の数は、5万種類以上にのぼると言われています。

日本酒の香りや味わいは、醸される土地の気候や地味といった自然条件や水、食文化、人間の気質など様々な要素が入り混じることによって変化するため、同じ蔵元で醸された同じ銘柄であっても香味が全く異なります。

ところで、多彩な香味を持つ日本酒ですが、これまで日本酒といえば“冬”というイメージが強かったため、夏場の消費量は他のアルコール飲料と比べると極端に低く、さらに若者のお酒離れの進行によって、さらに低迷下していると言います。

そこで、各地の蔵元では“夏でもおいしく飲める日本酒”の開発をはじめ、今まで類を見ない斬新なお酒を考案したり、津々浦々で積極的にイベントを催すなどの地道な努力によって、これまで日本酒に興味の無かった方々からも注目を集めるようになり、今では「夏酒」という愛称で親しまれています。

夏にピッタリな日本酒「夏酒」を飲むならば、“酒米の王様”こと山田錦を輩出した兵庫県や名水が豊富な京都府、日本酒大国として知られる新潟県などで醸されるお酒が飲みたいという方も大勢いらっしゃるかと思いますが、富士川・天竜川・大井川流域を中心におよそ30蔵元が存在する静岡県にも、夏に飲みたくなる爽やかな日本酒を醸す蔵元はたくさんございます。

そこで、今回は静岡県内にあるおよそ30蔵元の中から、富士山の霊水を酒造りに用いている高嶋酒造の「白隠正宗」をご紹介します。

高嶋酒造とは?

静岡県沼津市原にある1804年創業の老舗蔵元「高嶋酒造株式会社」では、明治14年から現在の主力銘柄「白隠正宗」を造り続けています。

高嶋酒造の創業者である高嶋亀吉氏は、酒造業を始める以前からこの地で網元を務める傍ら、醤油を扱う流通業も行っていたようで、当時は「醤油屋」の屋号で商いをされていたそうです。

白隠正宗は、今でこそ日本酒愛好家のあいだで、たいへん有名な銘柄として扱われておりますが、現蔵元当主の高嶋一孝氏が25歳で就任される以前までは、普通酒を中心に醸造を行う年間製造国数200石規模の小さな酒蔵だったと言います。

彼は、蔵を継いですぐに普通酒を全廃し、全量箱麹造り・槽搾り・瓶燗急冷といった吟醸仕様の製法へと切り替え、さらに杜氏・蔵人・スタッフを一掃し、自身が連れてきた杜氏のもとで酒造りをするという大改革を行ったのです。

その結果、今では年間生産量が改革前の3倍となる600石となり、“この地でしか作れない地酒を最高のコミュニケーションツールに”というコンセプトを掲げ、地元・静岡県にこだわった酒造りを行っています。

白隠正宗の由来

1804年創業の高嶋酒造の主力銘柄である「白隠正宗」とは、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

かつて静岡県が駿河国と呼ばれていた時代、「駿河に過ぎたるもの」と謳われていた名僧・白隠禅師ゆかりの地である松蔭寺の御膝元で酒造りが始まり、明治天皇が白隠禅師に対し、“國師正宗(こくしせいしゅう)”という勲章を与えた際、松蔭寺に使者として出向いた無刀流の創始者・山岡鉄舟に振る舞われたお酒が高嶋酒造の日本酒だったのです。

そして、山岡鉄舟は、振る舞われた酒の美味しさに感銘を受け、この酒に“白隠正宗”と名付けたそうです。

白隠正宗は、静岡県を代表する地酒であるため、高嶋酒造の当主・高嶋一孝氏は「地の酒は地の肴に合わせて旨くなくてはならない」とお考えになり、現在醸されている日本酒は、全て静岡酵母のNEW-5を用いた特定名称酒であり、お米も駿東酸の山田錦や誉富士などの地元で栽培されている酒米を使用しています。

また、最近では山廃造りや熟成酒などにも挑戦しており、他にも日本酒とフルーツを組み合わせるなどのプロモーション活動にも積極的に取り組んでおられます。

「白隠正宗 誉富士純米 夏の酒」の紹介

高嶋酒造では、夏季限定で毎年「白隠正宗 誉富士純米 夏の酒」の販売を行っております。

原材米として使用されている“誉富士”とは、2006年より生育が行われている静岡県オリジナルの酒造好適米です。当時の静岡県知事・石川嘉延氏が命名されたと言われる誉富士は、山田錦の耐倒伏性の改良を目的に開発された酒米であり、玄米のサイズは山田錦とほぼ同じなのですが、心白は大きくて高精白が可能となっています。

「白隠正宗 誉富士純米 夏の酒」は、誉富士は静岡県発のオリジナル酒造好適米と静岡酵母、富士山の雪解け水を用いて丁寧に醸された静岡県の魅力をたっぷり含んだ清酒となっています。

「白隠正宗 誉富士純米 夏の酒」には、留麹に白麹を数%使用しておりますので、しつこさや嫌味も無くサッパリとした後味の良さとふくよかなお米の旨味、そして程よく辛口で白麹に由来するはんなりとした酸味が心地良い最高の喉越しを持つ夏酒です。
酒質設計が夏仕様ですので、とても柔らかく爽快な味わいが愉しめます。

オススメの飲み方は、とにかくキンッキンに冷やすことです。トマトやキュウリ、ゴーヤなどの夏野菜と相性抜群ですので、食欲の無い日は夏野菜で栄養補給をしながら、白隠正宗 誉富士純米 夏の酒を嗜んで、カラダに溜まった熱を放出するのはいかがでしょうか。

今回はオススメの夏酒、高嶋酒造の「白隠正宗」を紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

高嶋酒造では、「白隠正宗 誉富士純米 夏酒」の他にも、ぬる燗で味わいが大化けすると有名な「白隠正宗 純米大吟醸生? 誉富士」や温冷どちらにも対応できる静岡県の魅力がたっぷり詰まった透明感のある締まった味わいが愉しめる「白隠正宗 誉富士 特別純米酒」、「白隠正宗 特別本醸造 静岡誉富士」なども販売されておりますので、まだ高嶋酒造の醸す白隠正宗を飲まれたことが無いという方は、この機会に1本購入してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたも白隠正宗の虜になることでしょう。

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