夏酒磐城壽「甦る」と「アカガネ」

今年の夏は日本酒で暑気払いを楽しみたいという方にオススメの夏酒があります。
それは、鈴木酒造店の「磐城壽(いわきことぶき)」という名のお酒です。

磐城壽を醸している鈴木酒造店は、2011年3月11日の東日本大震災に見舞われ、故郷である福島県双葉郡浪江町を離れることとなり、現在は山形県長井市四ツ谷にて、復興と文化継承へ向けた命題とし、「磐城壽」と「一生幸福」という2つの祝い酒ブランドによって、大勢の人々の“真の祝い酒”と“歓び分かち合いの酒”となれるよう、2つの故郷を次世代へと繋ぐ架け橋となることを願って、毎年旨い酒を造り続けているそうです。

そんな鈴木酒造店より今夏発売された夏酒「磐城壽 夏酒」は、そんな彼らの想いがギュッと詰まっています。そこで、今回はこの夏オススメの夏酒、鈴木酒造店「磐城壽 夏酒」についてご紹介します。

「磐城壽 夏酒」の紹介

2015年より毎夏発売されている鈴木酒造店の夏酒「磐城壽 夏酒」ですが、今年の「磐城壽 夏酒」は酒質設計を改め、3種の酒造好適米と4種の酵母を組み合わせ、タンク4本分の仕込みを合併させて造られておりますので、より磐城壽らしい軽快で優しい味わいのお酒に仕上がっております。

ちなみに、使用されている酒造好適米は、長井産の出羽の里と出羽燦々、青森県産の華吹雪であり、4種の酵母は明利M310やうつくしま夢酵母などが用いられています。

縁日で飲んだ懐かしいラムネのような甘酸っぱくて爽やかな香りが穏やかに香り、フレッシュさを残した口当たりとふっくらとした穏やかな旨味とコク、そして、はんなりとした優しい甘みが口の中に広がります。
ほどよく飲み応えがあり、低アルコールらしい軽快な飲み口を持つ鈴木酒造店渾身の夏酒は、後味に僅かに残る磐城壽らしいほろ苦さがキレを演出してくれるため、夏らしいスッキリ爽快な味わいを持つお酒なので、田舎の両親と共に飲みたい1本として帰郷の際の手土産に購入される方が多いそうです。

「磐城壽 夏酒」には、実は粋な演出があることをご存知ですか。

裏ラベルに「いぎなり、ひゃっこくして呑んでくんちぇ」と書かれており、福島弁で「思いっきり冷たくして飲んでくださいね」という言葉が記されています。

出荷本数1000本と非常に少ないので、運良く購入された方は、冷蔵庫で十分に冷やしてから、お召し上がりください。

鈴木酒造店イチオシ!「甦る 純米吟醸」と「磐城壽 熟成純米“あかがね”」

鈴木酒造店より毎夏販売されている夏酒「磐城壽 夏酒」もオススメですが、もう2本オススメしたい日本酒があります。それは「甦る 純米吟醸」と「磐城壽 熟成純米“あかがね”」というお酒です。

甦る 純米吟醸

「甦る 純米吟醸」とは、山形県長井市に避難されている福島県の方々と長井市の心優しい市民の方々と手を取り合い、お米作りから酒造りまで協同で行った、さわのはな100%の純米吟醸酒です。

このお酒には“思いやりと心意気の輪は限りなく”という強い想いが込められており、毎年震災が起こった3月11日に発売しており、売り上げの一部を原発事故によって非難を余儀なくされた子どもたちへの支援活動を行っている団体や学校、教育委員会へ寄付されています。

磐城壽 熟成純米“あかがね”

「磐城壽 熟成純米“あかがね”」とは、震災前まで福島県双葉郡浪江町にて創業していた「磐城壽」の味わいが愉しめるお酒として、現在も多くの日本酒愛好家たちのあいだで親しまれている清酒です。
このお酒には、震災当日、甑倒しの仕込みが行われていた酒米「雄町」を使用し、熟成型の純米を造ろうと仕込んでいた醪をベースに醸した日本酒なのです。

“熟成と圧倒的な存在感”をコンセプトに掲げ、岡山県産雄町を65%まで丹念に磨き上げ、伝統の麹菌と鈴木酒造店請戸蔵の山廃酵母から取り出した酵母のうち、最も古典的で熟成向きの酵母を用いて仕込まれた大らかな酒質を持つ「磐城壽 熟成純米“あかがね”」は、味幅がありながら、柔らかい香味が感じられる飲み疲れしないお酒造りを目指した結果辿り着いた清酒に仕上がっています。

酒名の最後に付いている“あかがね”とは、古くから高貴で親しみのある金属銅色のことを指しており、金属銅色とこのお酒を重ね合わせ、ラベルに配したと言われています。

今回はオススメの夏酒「磐城壽」の紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

2011年3月11日に東日本大震災が起こってから、福島県・岩手県・宮城県に住んでいた方々の生活はガラリと一転し、避難先で肩身の狭い思いをしていらっしゃる方やなかなか進まない復興に対し、苛立ちを持たれる方もいらっしゃるでしょう。

ですが、そんなときは故郷を感じさせてくれる鈴木酒造店が醸す「磐城壽」を飲んでみてはいかがでしょうか。

眼前には、震災前の光景が浮かび、あのころの楽しかった記憶が走馬灯のように蘇ってくることでしょう。
今年のお盆は「磐城壽 夏酒」を嗜み、懐かしさに浸ってみてはいかがでしょうか。

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