日本酒と水の関係|軟水と硬水|

日本酒と水の関係~硬水と軟水~

日本酒は、使用する水に麹菌や酵母といった微生物の食事となる有効成分カリウム・リン酸・マグネシウム・マグネシウムといったミネラルがどれほど含有されているかによって味わいが大きく変わります。

ミネラルの含有量が高い「硬水」を用いて醸造された日本酒は、深いコクを持つ飲みごたえたっぷりのしっかりとした味わいとなります。
一方、ミネラルの含有量が低い「軟水」を用いて醸造された日本酒は、穏やかで柔らかなあっさりした優しい味わいとなります。

硬水と軟水で日本酒の味がどのように変わるのか

日本の水は一部地域を除き、ほとんどが50mg/Lから60mg/Lの軟水です。

この数値はWHO(世界保健機構)が定めた飲料水水質ガイドラインに掲載されている数値であり、WHOでは軟水・中硬水・硬水・非常な硬水の4タイプに分けられています。

ですが、理化学辞典の定義では、軟水・中硬水・硬水の3つに分けられ、各国のミネラルウォーターなどはこちらを活用される場合があります。
では、それぞれが定めた水質定義をご紹介します。

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【WHOが定める飲料水質ガイドライン】

・軟水:0から60mg/L未満
・中硬水:60mg/L以上120mg/L未満
・硬水:120mg/以上180Lmg/L未満
・非常な硬水:180mg/L以上

【理化学辞典の水質定義】

・軟水:178mg/L未満
・中硬水:178mg/L以上357mg/L未満
・硬水:357mg/L以上

また、超軟水と呼ばれる水質の場合は、0mg/から50Lmg/Lとなりますので、合わせて覚えておくと良いでしょう。

では、硬水で醸造された日本酒と軟水で醸造された日本酒には、どのような違いがあるのでしょうか。

硬水

ミネラルたっぷりの硬水で日本酒を造ると、クリアな味わいと独特のクセを持つ日本酒となります。
その理由は、仕込む際、硬水のミネラルによって発酵が促進されるため、軟水よりも発酵が早まります。ですので、十分なコシと独特な酸味を持つキリリとした辛口の日本酒となるのです。

硬水の日本酒を味わってみたいという方は、新潟県糸魚川市にある「加賀の井酒造株式会社」の日本酒がオススメです!特に「大吟醸 加賀の井」や「大吟醸 くろうざえもん」は人気が高く、軟水では決して味わうことができないスーッとした芯の通った舌触りの穏やかな味わいが特徴の日本酒となっています。

軟水

ミネラルの含有量が低い軟水で日本酒を造ると、舌触りが穏やかでクセの少ない日本酒となります。そのためお酒が苦手な方や初めて日本酒を嗜まれる方にオススメです。
なぜ、このような味わいになるかと言いますと、発酵を促進させるミネラルの含有量が少ないため、硬水よりも緩やかに発酵が行われます。すると、軽やかで柔らかな舌触りと雑味の少ない飲みやすい日本酒となるのです。また、ほんのりと甘みが感じられるのが特徴です。

軟水の日本酒を味わいたいという方は、広島県東広島市にある「柄酒造株式会社」の日本酒がオススメです!柄酒造では、三浦仙三郎翁の軟水醸造法を受け継いでおり、今も昔も変わらぬ味わいの日本酒を醸造しています。特に「関西一 大吟醸 一番取り」は清冽な安芸軟水を広島県で生産された酒造好適米「千本錦」で醸した逸品です。

超軟水

超軟水を使って日本酒を醸す広島県呉市にある「盛川酒造」では、野呂山系の質の良い地下水を使用した日本酒が有名です。この水は軟水地帯と言われる広島県でも有数の超軟水地帯のため、お茶やコーヒーを淹れるのに最適な土地と言われています。
超軟水の魅力は、お米本来の旨味や甘みを最大限引き出すことができ、芳醇で味わい深い日本酒となります。しかし、超軟水はアルコール発酵を促進させる酵母の働きを鈍らせるため、非常に高度な技術を必要とします。

超軟水を用いた日本酒を飲んでみたいという方は、「盛川酒造」の「白鴻(はくこう) 純米吟醸 無濾過生原酒“広島雄町”」や「大吟醸 沙羅双樹 雫酒」がオススメです!特に「白鴻 純米吟醸 無濾過生原酒“広島雄町”」は活性炭濾過及び割水を行っていないため、お米とお水の味わいをストレートに味わうことができます。

今回は日本酒造りに欠かすことの出来ない「水」の「硬水」と「軟水」がどのように日本酒の香りや味わいに関わっているのかをご説明させて頂きました。
是非、この機会にお米だけではなく、水に注目し、日本各地の名水を使用したおいしい日本酒を味わってみてはいかがでしょうか。

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