日本酒と水の関係|名水と清酒

日本酒と水~名水と清酒~

日本酒には清冽な水が欠かせません。

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日本国内には、大雪山として知られる「旭岳」・南部片富士と称される「岩手山」・万年雪を水源とする伏流水が有名な「鳥海山」・日本一美しい山と言われる「富士山」・膨大な残雪が残る「日本アルプス」・広大なブナ林が印象的な「白山」・言わずと知れた名水・宮水の源「六甲山」・ごろごろ水で有名な「吉野山」・山陰随一の巨山「大山」・水の都として有名な熊本県にある「阿蘇山」など酒造りに必要な水源として有名な10か所の山々があります。


今回は、これらの山々の恵みを用いた日本酒を造っている酒蔵と代表的な銘柄をご紹介します。

日本酒造りに適した名水10選

名水百選に選ばれた大雪旭岳の水を用いた日本酒

北海道にある北の誉酒造では、北海道東川町で育った東川米を使い、北海道らしい地酒を誕生させました。それが「純米 東川米」です。
この日本酒には北海道最高峰として有名な旭岳の雪清水を使用して醸造されているため、お米本来のしっかりした味わいが堪能出来ます。冷やとして飲むとスッキリとした味わいになり、ぬる燗にするとお米の豊かな味わいと穏やかで優しい香りを楽しむことができます。
2015年現在、北の誉酒造はHD傘下の合同酒精(東京)旭川工場と合併したため、今後この日本酒が味わえるのかどうか分かりませんが、旭岳の恵みと東川町のお米を使った地酒は残してほしいものです。

万年雪の湧水で有名な鳥海山の伏流水を用いた日本酒

秋田県由利本壮市にある「天寿酒造株式会社」では、麗峰鳥海山の万年雪が生み出す伏流水をたっぷり使用した日本酒が人気となっています。
特に日本酒アワード2015にて見事金賞を獲得した「純米大吟醸 鳥海山」は、WGOやISCやIWCなど数々のコンテストにて金賞や銀賞を獲得するという国内外から高く評価されている日本酒です。
香り高い日本酒独特の香りとフルーツのようなジューシーな酸味を持っているので、和洋折衷どのような料理にも合うお酒となっています。フルーティーでスッキリとした味わいは1度飲んだらクセになるでしょう。

夏でも清冽な水が流れる日本アルプスの恵みがたっぷり詰まった日本酒

新潟県糸魚川市にある「池田屋酒造」では、日本アルプスの白馬岳を水源とする姫川の伏流水を使用した日本酒造りを行っています。
そんな日本アルプスの恵みがたっぷり詰まった池田屋酒造で人気の日本酒は越後の武将の名が付けられた「謙信」です。特に「謙信 特別純米酒」は新潟次世代の銘酒として知られる謙信の定番となっており、お米の柔らかな旨味と軽快な口当たりを持っているため、日本酒が苦手な方でもおいしく召し上がることができます。

南部片富士と称される岩手山の山麓から湧き出る水をたっぷり使用した日本酒

ミネラルたっぷりの湧水で有名な岩手山は、別名「南部富士」や「岩手富士」と呼ばれ、親しまれています。そんな岩手山の山麓には清冽な湧水があり、この清らかな水を使用して日本酒を醸造しているのが岩手県八幡平市にある「株式会社わしの尾」です。
わしの尾の日本酒は全て岩手山の湧水を使用しており、特に自社水田で丹精こめて栽培された「はなの舞」を岩手山の湧水で醸した「秋あがり」は、寒さの厳しい冬に仕込み、ひと夏熟成されることで穏やかで風味豊かな日本酒となっており、秋の味覚との相性抜群です。

日本一の山・富士山のミネラルたっぷり天然水を使用した日本酒

霊峰・富士山から湧き出る天然水を使用した日本酒を造っているのは、静岡県富士宮市にある「牧野酒造」です。
牧野酒造から販売されている「富士山 特別純米酒 富士山銘水仕込み」は、日本酒は富士の天然水によってほんのりとした酒の香りとキリリとした味わいを持つ清酒となります。また、じっくり低温発酵させることで、お米の旨味をグッと引き立たせ、日本酒通を唸らせるうまい酒となります。
年末年始に購入される方も多いので、是非この機会に購入されてみてはいかがでしょうか。

日本三名山の1つ霊峰・白山より湧き出る水を使用した日本酒

石川県白山市にある「株式会社金谷酒造店」は、自然豊かな土地にあり、霊峰白山の万年雪を源流とする手取川の伏流水を仕込みに使用しています。
金谷酒造店から販売されている「高砂 大吟醸 大河」は、霊峰・白山から流れ出る手取川の伏流水と山田錦100%使用し、昔ながらの製法で袋つりにて搾られた日本酒です。その滴り落ちる雫は黄金色に輝いており、日本酒ファンを唸らせる最高の酒としてたいへん有名な日本酒の1つです。

カルシウムが豊富に含まれている吉野山の水をたっぷり使用した日本酒

奈良県吉野郡にある「藤村酒造株式会社」では、名水百選に選ばれたごろごろ水を使用して醸造される日本酒が有名です。ごろごろ水は、なんと「環境省認定日本名水百選」をはじめ、「国土交通省水の郷34選」や「奈良県指定大和の水」にも認定されている非常に有名な水です。この水をたっぷり使用して作られる藤村酒造では、「万代老松 純米酒 大峰山」が特に有名で、厳選された酒造好適米とごろごろ水を使用して醸造されるため、淡麗かつ辛口の日本酒となります。

日本酒愛好家ならば必ず知っている六甲山の水を使用した日本酒

日本酒愛好家の間では有名な宮水ですが、その宮水の源である六甲山はもっと有名です。
六甲山系の伏流水で仕込んだ純米酒を販売しているのは、兵庫県神戸市にある「白鶴酒造株式会社」です。特にこれから日本酒の世界に足を踏み入れるご予定の方は「白鶴 特撰身にグラス 純米」がお勧めです。ほどよい辛口でキリッとした端麗な味わいが特徴の日本酒なので、初めての方には少々抵抗があるかもしれませんが、ミニグラスなのでお試しとして最後まで飲めるのは魅力的です。

ミネラルウォーターとして人気の高い名水を生み出す大山の水を使った日本酒

鳥取県西伯郡にある「久米桜酒造」は、ビアホフ・ガンバリウスと隣接し、大山醸造場があります。この醸造場は、山陰地方で最も巨大な山として有名な大山の麓にあるため、大山の伏流水と大山水系のブランド米「八郷米」や「強力」などを用いて醸されます。
久米桜酒造で販売されている日本酒の「純米大吟醸 八郷」は穏やかな舌触りとコクを有しており、フルーティーで上品な香りが楽しめる清酒となっており、「特別純米酒 八郷」はスッキリとした飲みごこちの爽やかな清酒となっています。

水の国として有名な熊本県の清らかな水を用いた日本酒

熊本県菊池市にある「株式会社美少年」は、日本酒造りに適した風土となっており、日本酒愛好家の間でも有名です。
菊池市を流れる清らかな菊池川は阿蘇外輪山に水源があり、岩の表面が削られた菊池渓谷は「日本名水百選」や「水源の森百選」、「日本森林浴の森百選」などにも選ばれるほど自然豊かな土地です。
株式会社美少年では、澄んだ冷たい空気と菊池市で生産されている肥後米、そして清冽な菊池水の伏流水を用いて日本酒を製造しており、中でも第15回日本美酒鑑評会 準大賞を受賞した「美少年 清夜〈純米酒〉」は、ぽったてりとした甘みが口の中に広がり、十分な酸味がスッキリとした喉越しをもたらす食中酒として最適な清酒となっています。やや甘口なので、日本酒初挑戦の方でもおいしく召し上がることができます。

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