日本酒と水~伏流水や和らぎ水って何?~
日本酒造りに欠かせないのが「水」です。
日本酒はおよそ80%が水で出来ており、しかも使用する水は私たちが普段利用している水道水ではなく、鉄分やマンガンなどの有害物質が含まれない水を使用する必要があります。
さて、日本酒造りに欠かせない水ですが、よく「伏流水」や「和らぎ水」、「仕込み水」といった水に関する用語が出てきますが、よく意味が分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は日本酒造りに登場する「水」についてご説明したいと思います。
日本酒に使用される水の種類
伏流水とは?
よく「○○系の伏流水を使用している」と日本酒の紹介欄に掲載されていることがありますが、この伏流水とは、いったいどのような水なのでしょうか。
山地に降った雨や雪は、地表を伝って近くの河川に辿り着き、海まで流れ込む場合と地表から地中へとじわじわと染み込み地下へ流れ込む場合、そして、地表を伝って流れてきた水が河川へと流れ着き、川底から地中へと染み込み、地下に取り込まれる場合の3つに分けられます。
では、日本酒で使用されている伏流水とは、3つのうちどの水を指しているのでしょうか。
日本酒造りに使用されている水は、主に地上の流水が地下へと浸み込み、地層を伝って流れている水を使用しています。
その理由は、地下に取り込まれた水は、地層に沿って流れている間にゆっくりと濾過され、土壌に含まれるミネラル類を吸収し、酒造りに適した水質になるからです。
和らぎ水とは?
日本酒を嗜む際に「チェイサー」として飲用する水のことを「和らぎ水」と言います。
和らぎ水は、悪酔いを防いだり、お口直しなどといった効果があるので、2杯目を飲む際に和らぎ水を飲んで、口内をリセットし、いつでもおいしい日本酒を嗜むことができるという利点があります。
また、二日酔いの予防にもなるため、和らぎ水はとってもカラダに優しい水ですので、覚えておくと良いですよ!
割り水とは?
割り水とは、完成した日本酒の原酒に水を加え、アルコール度数を調節するための水です。
以前、日本酒の造り方でもご紹介させて頂きましたが、日本酒は数回に分けてじっくりと発酵させて仕込まれるため、醸造酒で非常に高いアルコール度数を誇ります。そのため、アルコール度数をおいしく飲める濃度まで水を加えて調節するのです。
割り水は日本酒造りにとって、とても重要な「水」の1つということです。
仕込み水とは?
仕込み水とは、お酒造りの原材料として使用される水のことです。主に、発酵・酒母・麹を製造する際に使用される水のことを指します。
この仕込み水は、蔵見学の際や各酒蔵の公式オンラインショップなどで購入し、味わうことができます。また、広島県内にあるいくつかの酒蔵では仕込み水を一般開放しているので、飲み比べて違いを愉しむこともできます。
今回は日本酒造りに登場する「水」についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。今後も日本酒に関する疑問にお答えしてゆけるように精進したいと思います。