酒造好適米とは

日本酒の原材料といえば「お米」ですが、日本酒造りに適した「酒造好適米」を忘れてはいけません。

酒造好適米とは、日本酒造りに適したお米であり、北は北海道から南は宮崎県まで日本各地で生産されています。しかし、普段私たちが口にしているお米とどのように違うのかご存知無い方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は酒造好適米と普通のお米の違いや酒造好適米の種類などをご紹介したいと思います。

日本酒と相性の良い酒造好適米とは?

酒造好適米と普通のお米の違いとは?

では、日本酒造りに適したお米と普段私たちが口にしているお米の違いをご説明します。

1.お米のサイズ
酒造好適米と一般的なお米は見た目から違います。
酒造好適米は私たちが普段口にしているお米よりも一回り大きいのが特徴です。日本酒の原材料として用いられるお米は表面を磨き上げ、心白と呼ばれるお米の中心部を使用します。そのため、粒の小さい一般的なお米を磨いて使用してしまうと日本酒造りの工程で割れてしまう危険性があるのです。

2.お米の中心部
酒造好適米も一般的なお米も中心部に「心白(しんぱく)」と呼ばれる乳白色の芯が存在します。心白部分はタンパク質の含有量がとても少なく、たとえ磨いても粘性が強いため粉砕されることがありません。さらに仕込みを行う際、醪に溶けやすい性質を持っています。
酒造好適米には、この心白部分が普段口にしているお米よりも大きいため日本酒造りに用いられるのです。

3.醸成の適応力
酒造好適米の大きな魅力として醸成への適応力が挙げられます。
酒造好適米は蒸米吸収率や製麹などにとても適しており、代々酒蔵に伝わる「一麹 二? 三造り」をスムーズに行うことが出来ます。
また、普段食べるお米にはタンパク質や脂質がたっぷり含有されているので、炊き上げると口の中いっぱいにお米の旨味が広がります。しかし、日本酒にとってこの旨味は邪魔でしかなく、美味しい日本酒を製造するためには酒造好適米を用いるのが最適となっています。

酒造好適米の種類とは?

酒造好適米は先ほどもご紹介した通り、北海道から宮崎県までの各都道府県で生産されています。そのため、日本各地に存在する酒蔵では地元産の酒造好適米を使用した日本酒を製造することもあります。

ですが、酒造好適米の中でも非常に人気の高いトップ3をご紹介したいと思います。

第3位:美山錦(みやまにしき)

長野県を中心に生産されている酒造好適米の美山錦は、昭和53年に長野県にある農事試験場にて偶然誕生した品種の酒米です。
爽快な味わいを持っており、東北地方で醸造されている日本酒の多くはこの品種の酒造好適米を使用しています。

第2位:五百万石

新潟県を中心に生産されている酒造好適米の五百万石は日本を代表する酒米のトップ争いを繰り広げているお米です。五百万石で造られる日本酒は美山錦同様スッキリとした爽快な味わいに淡麗さも兼ね揃えています。米処である新潟県ならではの素晴らしい酒造好適米としてたいへん人気があります。

第1位:山田錦

兵庫県を代表する酒造好適米の山田錦は「酒米の王」と呼ばれるほど多くの酒蔵からラブコールを受けるほどの絶大な人気を誇ります。酒造好適米の生産量のおよそ90%を占めており、日本酒処として有名な兵庫県産の山田錦を使用した日本酒は絶品です。
山田錦を使用した日本酒は数多くの鑑評会などで高い評価を得ており、国内外からとても人気の高い山口県の銘酒「獺祭」にも山田錦が使用されています。

今回は酒造好適米トップ3をご紹介しましたが、その土地で生産されている酒米を使用した地元産の日本酒を嗜むのも粋ではないでしょうか。
また、様々な酒造好適米がありますので、全国各地の酒蔵で製造されている日本酒を飲み比べてみてはいかがでしょうか。

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