日本酒の造り方|①精米 

日本酒に使用する精米の精米歩合とは?

日本酒の銘柄が記述されている表面に「精米歩合○○%」と記されている箇所があります。
日本酒では、この精米歩合いによって日本酒の香りや味わいが大きく左右されるため、日本酒をこれから嗜もうかとお考えの方は是非、記憶の片隅に刻んで置いて頂きたいと思います。

では、日本酒における精米歩合についてご説明させて頂きます

精米と精米歩合

そもそも精米とは何か

日本酒の香りや味わいを大きく左右する精米歩合ですが、皆さんは精米とはどういった工程なのかご存知ですか?

私たち日本人は普段お米を食べて生活しています。実は私たちが普段口にしているお米もきちんと精米されており、食べやすいように配慮されています。

秋に旬を迎える稲に実るお米は、収穫された際は籾殻に包まれており、籾殻を取り除いただけの精米されていないお米を黒米または玄米と言います。
お米は籾殻・胚芽・ぬか層(果皮・種皮・澱粉層)・胚乳によって構成されており、玄米からぬか層を取り除いたお米を胚芽精米、胚芽精米から胚芽を取り除いたものを精白米と言います。

私たちが普段口にしているお米は精米歩合90%ほどであり、お米を10%削った精白米です。
ですが、お米の外側にはタンパク質やミネラル類がたっぷり含有されており、アミノ酸の素となるタンパク質が豊富に含まれていると日本酒の風味が重たくてコッテリし過ぎてしまうため、とても美味しいとは言えないお酒が誕生してしまいます。

では、日本酒を造る際に使用する精米はどのくらいの精米歩合が理想的なのでしょうか。

日本酒造りに適した精米の精米歩合とは?

日本酒を製造する際に必ず必要になる精米ですが、私たちが普段口にしている精米では日本酒独特の旨味を引き出すことがなかなか出来ません。
そのため、日本酒を製造する際に適した精米歩合で精米を削る必要があります。

日本酒を製造する際は、精米歩合によって分類分けされています。
精米歩合が60%以下の精米で製造された日本酒は吟醸酒や純米吟醸酒と言い、精米歩合が50%以下の場合は大吟醸または純米大吟醸と言います。

日本酒の世界において精米歩合を表す際は、お米を削るとは言わず、お米を磨くと表現します。1989年から2003年までは日本酒を製造するに当たり、今まで大吟醸ならば50%以下や純米酒ならば70%以下などの規定が設けられていたのですが、2004年になり、純米酒における精米歩合規定が取り除かれ、お米・米麹・水のみで製造された日本酒ならば全て純米酒となるとしています。
しかし、この制度が撤廃されたことによって酒造技術力及び日本酒の品質の低下が危惧されています。

精米歩合と日本酒の関係性

日本酒に使用する精米の精米歩合は、如何にお米の外側を磨いたかによって香りや味わいが変化し、さらに使用する精米の量が大量に必要となります。
そのため、精米歩合の数値が0%に近ければ近いほど日本酒の価格や等級が上昇します。

日本酒は、心白と呼ばれるお米の中心に近くなると豊かで高い香気となります。
そのため、日本酒のラベルに「精米歩合39%」と表示されていた場合、精米の表面を61%も削り落としているということになり、お米の中心である心白に近いことが分かります。

心白に近い精米を使用するほど、日本酒特有の吟醸香を表現することが出来ます。優れた吟醸香を演出するためにはお米を発酵させる段階で如何に酵母に与える栄養素を減らすことが出来るのかが重要となります。

精米歩合が0%に近ければ近いほど雑味の少ない日本酒となります。
日本酒は製造工程で様々な因子が組み合わさることで個性的な香りや味わいを演出することが出来ます。そのため、心白に近い精米を使用することで、後味も残らず口当たりの良いスッキリとした喉越しと味わいを持つ雑味の少ない日本酒となります。

世界最高峰の精米歩合を持つ日本酒のご紹介♪

最高級日本酒として知られる大吟醸及び純米大吟醸ですが、精米歩合は50%以下となっており、少々値は張るものの、豊かな吟醸香と滑らかな口当たりを持っているため初心者でも安心して飲用出来る日本酒となります。しかし、技術力の進化に伴い、現在では精米歩合50%以上の日本酒も数多く登場しています。

中でも茨城県特有の酒造好適米「ひたち錦」を精米歩合9%という驚異の磨き具合を見せ、日本酒界に新たな風を巻き起こした至高の逸品「来福 純米大吟醸超精米 原酒」は、気品溢れる繊細な味わいを持っており、時間と共に深みのある日本酒へと変化します。
アルコール度数は17%となっており、精米歩合8%でこのアルコール度数は素晴らしいと言えます。

一方、福井県にある地酒蔵の白龍では、低精米純米酒「純米磨き9割」を製造及び販売してります。精米歩合9割というと私たちが普段口にしている精米と同じ精米歩合となっており、高い精米歩合のお米を使用するほど香りや味わいが悪くなると言われていますが、この日本酒はそれを払拭することが出来る新たな日本酒として注目が集まっています。
通称「ご飯酒」と呼ばれており、15度前後に冷やして嗜むのが通の愉しみ方だそうです。使用しているお米は福井県産のハナエチレンという飯米を使用しており、アルコール度数は原酒で16.3となっています。

今回は日本酒の原材料の1つである精米の精米歩合についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
精米歩合とは、日本酒造りに使用するお米の芯「心白」のことを表しており、磨き落とされる部分を精白度と言います。この2つを合わせると丁度100%になるため、日本酒のラベルに表示されている精米歩合を確認して、自身の口に合うお好みの日本酒を探し出す1つの基準となるので、忘れずに覚えておきましょう。

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