近年国内外で日本酒ブームが巻き起こっており、これから日本酒の飲み方を学ぶという若者も大勢いらっしゃるかと思います。
しかし、日本酒の飲み方を知らない方がお酒を飲んでしまうと、酒に呑まれて大衆の前で大失態をしでかす可能性があります。
特に悪酔いで周囲に迷惑をかけるのが言語道断、絶対に犯したくない失敗ですよね。
そこで、今回は日本酒の飲み方の基本「悪酔いをしない方法」についてご説明したいと思います。
悪酔いとは
社会人になると、よく「二日酔いになった」や「悪酔いした」などお酒に関するこういった失敗談を耳にすることが多くなりますが、二日酔いと悪酔いの違いをご存知ですか。
二日酔いとは、日本酒などのアルコール飲料を摂取後、8時間から14時間後に現れる不快な症状のことを指しており、お酒を飲んだ翌朝からお昼にかけてピークを迎えます。
一方、悪酔いとは、飲酒後2時間から5時間ほどで現れる不快な症状のことを指しており、飲み会の席で不快に襲われるため、周囲の方々に迷惑をかけるケースが多いのが特徴です。
また、悪酔いは血中アルコール濃度が高い状態で症状が現れるのに対し、二日酔いは血中アルコール濃度が低い状態でも現れること、そして、お酒に弱い体質の方は悪酔いになりやすく、お酒を大量に飲む方は二日酔いになりやすい傾向があります。
つまり、個人差はありますが一定以上のアルコール摂取によって、肝臓が正常にアルコールの分解が行われず、体内に処理されずに残ってしまった有害物質によって悪酔いや二日酔いが引き起こされているのです。
悪酔いの原因
節度あるお酒の飲み方をしている社会人の方々は、お酒を楽しく飲むことができる爽快期からほろ酔い期の間で嗜んでいます。
悪い酔いをしてしまう方の多くは自分の限界以上のアルコールを摂取した場合が多いため、翌日は辛い二日酔いになるというパターンも少なくありません。
では、悪酔いの原因とはいったい何なのでしょうか。
悪酔いの原因その1「空腹状態で飲酒した」
アルコールは空腹状態で摂取してしまうと、胃や肝臓に多大な負担をかけてしまいます。
特に加齢と共に機能低下が見られる内臓へのケアは重要で、長年飲酒を行っている方の場合は肝臓への負担が大きくなり、肝硬変など生命に関わる病気を誘発させてしまう危険性があります。
悪酔いの原因その2「飲酒速度が早い」
大学生や社会人でもよく行われる「一気飲み」ですが、お酒はゆっくりと嗜むものですので、ジュースのように1度にガブガブと飲んでしまうと、アルコールの分解速度がどんなに早い方でもアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが追い付かず、肝臓に多大な負荷をかけてしまいますし、急性アルコール中毒で死亡するケースもありますので、飲酒速度の速い方は気を付けましょう。
悪酔いの原因その3「ちゃんぽん」
「長崎県のご当地グルメのこと?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、お酒の席でのちゃんぽんとは、1杯目はワイン、2杯目は日本酒、3杯目は…と様々な種類のお酒を飲むことです。
同じアルコール飲料ですので、混ぜて飲むことで身体に変化が現れることはありませんが、多種多様なアルコール飲料を摂取することで、現在のアルコール摂取量が分かりにくくなり、気付いたときには過剰摂取になっていたということもあります。
医学的にはちゃんぽんで悪酔いするという根拠は見つかっておりませんが、極力同じ種類のお酒を飲むようにすると悪酔いを引き起こす可能性が減るので覚えておきましょう。
悪酔いの原因その4「休肝日がない」
アルコールを分解することができる肝臓はスタミナがあり頑丈な臓器ではありません。
そのため、毎日休まずお酒を飲み続ければ、肝臓もヘトヘトになってしまいます。
私たちも毎週1日から2日ほどお休みがあるように、肝臓にも休日を作ってあげましょう。
最低でも3回飲みに誘われたら1度は断るようにするのがオススメです。
悪酔いしない方法とは
では、原因が分かったところで、次は悪酔いをしない方法についてご説明してゆきたいと思います。
飲酒前
悪酔いをしないためには、先ずお酒を飲む前に脂肪分・クエン酸・酢酸を摂取し、空腹を満たしておくことが大切です。特に悪酔いを避けるためには、肝臓の働きをサポートする働きを持つ良質なタンパク質を摂取することが重要です。
チーズや牛乳などの乳製品には脂肪分が含まれており、胃壁に脂肪の膜ができてアルコールの吸収を穏やかにしてくれます。
梅干しやレモンなどの柑橘系のフルーツにはクエン酸、食用のお酢には酢酸がそれぞれ含まれており、クエン酸を含むフルーツを食べたり、お酢を大さじ1杯摂取することで肝機能が活発になり、酔いがまわりにくくする働きがあります。
完全栄養食品と言われる卵には、Lシルテインが含まれており、アルコールやアセトアルデヒドの分解を行う酵素の働きを活発にする効果があります。
他にも肉類や魚を摂取したり、水分をこまめに補給して血中アルコール濃度を下げるなどの方法もオススメです。
飲酒中
飲酒中は悪酔いを避けるために、水や柑橘系のジュースを飲んで血中アルコール濃度をこまめに下げるようにしましょう。特に果糖にはアルコールの分解を早める作用がありますので、100%のグレープフルーツジュースやオレンジジュースをお酒の合間に飲むのがオススメです。
また、悪酔いしにくいお酒を選ぶのも重要です。
日本酒の場合、アルコール度数15%の清酒を180ml飲用することで純アルコール量がおよそ21.6gとなり、ほろ酔い状態となります。
もちろん、個人差やそのときの体調なども影響しますので、できれば口当たりの良いお酒や度数の低いお酒であっても大量に飲まないように注意しながら摂取するようにしましょう。
飲酒後
飲酒後はアルコールによって身体が水分不足になっているので、必ず帰宅前にコンビニに立ち寄って水や100%の柑橘系ジュースを購入しておきましょう。
そして、水やジュースを飲んで体内からアルコールを抜き、脱水症状を引き起こして血栓が作られるのを阻止し、翌日二日酔いにならないように対策を取っておきましょう。
吐いて体内からアルコールを抜く方もいらっしゃいますが、嘔吐物が喉に詰まったり、急性アルコール中毒を引き起こす危険性がありますので極力避けてください。
水分補給をして、酔いが醒めてきたら、たっぷり睡眠を取るようにしましょう。
今回は悪酔いについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
悪酔いを避けるためには高タンパク質+ビタミンたっぷりのおつまみを食べるなど自身の身体を労わりながら飲酒を行うのが大人のマナーになります。
悪酔いは貴方だけではなく、周りの方々にも迷惑がかかりますので、悪酔いのメカニズムを学び、対策を取っておくようにしましょう。