日本酒などのアルコール飲料が肉体へ与える影響についてご説明させて頂きましたので、今回は精神へ与える影響についてご説明したいと思います。
よくお酒を飲むと、口数が増えたり、ボディタッチや抱きつきなどスキンシップが増え出すかと思います。
1993年Grethe Jenesen氏率いる研究チームによって、アルコールとは無関係に亡くなった方とアルコールによる依存で亡くなった方の脳を採取したところ、脳細胞の数や密度などに大きな変化は見られなかったということを発表しました。
現在アルコールが脳に与える影響は、アミノ酸の1種であるグルタミン酸による神経の伝達方法であり、アルコールがグルタミン酸受容体に浸透し、興奮を伝達する能力を妨げ、会話や判断力などを司る脳の働きに影響を与えることが明らかにされています。
そのため、「お酒を飲むとゴルフの調子が良い」という方もおられますが、これは脳の回路機能を変化させる働きによるものであり、薬理学的な手榴弾だと言われています。
また、幾多の研究によってイギリスの劇作家であり詩人のシェークスピアの格言「酒は興奮させるところもあれば、萎えさせるところもある」という点も裏付けされておりますが、この現象も脳やその他の神経興奮の伝達に関係があるとされており、適量の飲酒ならば、効果をもたらすこともありますが、身体の特定の部位を解放するのに役立つわけではないことも明らかにされています。
アルコールによる精神状態の変化
さて、アルコールによる精神への影響ですが、以下のようなことが挙げられます。
・意識的に自己抑制を解消したい
・現実逃避をしたい
・劣等感から解放されたい
・物心両面に渡って美しく見せたい
よく同窓会やお花見、忘年会など大勢が集まる場にて、お酒を飲まれる方もいらっしゃるかと思いますが、なかには大きな声で会話をしたり、他人を見下した発言をされる方がいらっしゃるかと思います。
例えば、普段は素直で落ち着いた大人しい方や上司にごまをする性格の方限って、アルコールが入ると自己表現を始めたり、上司や先輩などの悪口を言いだしたり、自分を過大評価しだすことがあります。実は、こういった方は劣等感の塊みたいな方ですので、こういった言動は彼らの代償的な行動の1つとなっています。
実は、この劣等感を闘争心へとすり替えることができれば、アルコールが入っても態度が急変することがありません。特に歴史上の偉人と呼ばれる人物の多くは劣等感を闘争心へとすり替え偉業を成し遂げた方が多いと言います。
よく、「その人物が修業できた人間かを見極めるには酒を飲ませろ」という言葉がありますが、これはアルコールによって、どのような変化が現れるのかによってその人物が修業できた人間なのかどうかを見極める手段の1つとして今もなお行われています。
【番外編】お酒を飲むと性的欲求が強くなるって本当!?
日本酒をはじめ、アルコール飲料を摂取した女性の多くは男性へのボディダッチや抱きつきなどのスキンシップが激しくなり、キスをしたり、一夜を共にするなど肉食系な一面が現れる方もいらっしゃいます。
もちろん全ての女性が肉食系になるわけではありませんが、お酒を飲むことで交感神経の働きによって心拍数が上昇し、快感物質と呼ばれるドーパミンが分泌されます。すると、気分が高揚し、食欲や性的興奮を司る視床下部が活性化されます。
しかし、食欲中枢と性欲中枢は隣同士であるため、どちらかが満たされるともう一方の欲求は収まるようになっています。
特に女性の場合、アルコールを摂取することで、男性ホルモンの1種「テストステロン」の生成量が増加し、性的興奮が強まると言われています。
ですが、全ての女性に当てはまるわけではありませんし、アルコールが直接性欲に繋がるわけでもありませんのでお間違えのないようにご注意ください。
女性の欲求が高まる理由は、女性ホルモンの周期とアルコール摂取のタイミングにも深く関わっており、女性は排卵期になると黄体ホルモンの1種であるプロゲステロンが分泌され、子宮壁が軟らかくなります。すると、卵巣に卵子が付着しやすくなり、受精しやすい状態=男性を受け入れたくなる時期となるため、このタイミングでアルコールを摂取し、ほろ酔い状態になると性欲が高まり、男性に抱かれたいという欲求が強くなります。
反対に、生理前にアルコールを摂取してしまうと、羽目を外しやすくなるので、気を付けましょう。
逆に男性の場合、脳から末梢神経に伝達物質の刺激が伝達されにくくなるため、性的興奮や妄想などが難しくなり、欲求が抑制されると言われています。
もちろん個人差がありますので、全ての男性に対して当てはまるわけではございません。
今回はアルコールによる精神への影響についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
日本酒などこれからお酒を嗜もうとお考えの方は、アルコールによる精神への作用についてしっかり学び、周囲の迷惑にならないように配慮することが大人としてのマナーであり、あなたの評価へと繋がります。
今まで自身がお酒によってどのような言動を取ってきたのかこの機会に今一度見直してみてはいかがでしょうか。