二日酔いとは|原因と対処法

社会人の方ならば誰もが経験している「二日酔い」は、ぎっくり腰同様、1度なったら2度となりたくない非常に辛い症状の1つではないでしょうか。

二日酔いとは、正式名称「宿酔(しゅくすい)」と言い、日本酒などのアルコール飲料を大量に摂取し、酩酊状態の去った翌日に、なお残存する頭痛や吐き気などの中毒症状です。
二日酔いの原因のほとんどが、自身の代謝能力以上のアルコールを摂取してしまうことで引き起こっているため、自業自得だと言われています。

よく悪酔いと間違われておりますが、悪酔いは飲酒後2時間から5時間後に不快な身体的症状が現れるのに対し、二日酔いは飲酒後8時間から14時間後に不快な身体的症状が現れます。

急性アルコール中毒のように生命を脅かす危険性はありませんが、頭痛・吐き気・喉の渇き・胃痛・胸のむかつきなど様々な症状が一気に現れるため、二日酔いになった方は大抵自己嫌悪に陥ります。

これから日本酒の飲み方を学ぼうとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、実は日本酒は二日酔いをしやすいお酒でもあります。

そこで、今回は日本酒を嗜む前に学んでおきたい二日酔いの症状や対処法についてご説明したいと思います。

二日酔いの原因と症状

二日酔いの原因は、自身の代謝能力を超えた飲酒を行ったことで肝臓にて有害物質のアセトアルデヒドの処理を十分に行うことができなかったことで生じる症状だと思っている方も多いかと思いますが、実は二日酔いの症状によって原因や対処法が若干変わってくることをご存知でしたか。

現在確認されている二日酔いの原因と言われているのが、アデノシン・脱水症状及び頻尿・低血糖症・アセトアルデヒド・胃の塩酸分泌・酸素不足・メタノールの全7パターンであり、それぞれ異なる症状が現れます。

原因 症状
アデノシン 頭痛
脱水症状及び頻尿 頭痛・だるさ・吐き気・食欲不振・下痢
低血糖症 頭痛・だるさ・吐き気・筋肉痛
アセトアルデヒド 頭痛・だるさ・吐き気
胃の塩酸分泌 吐き気・食欲不振・下痢
酸素不足 頭痛・だるさ
メタノール 頭痛・吐き気・筋肉痛

原因別の対処法

では、日本酒を飲むことで引き起こる二日酔いの原因とそれぞれの対処法についえご紹介します。

アデノシン

日本酒に多く含まれているアデノシンには、アルコールと同じく血管を拡張させる働きがあります。また、アセトアルデヒドや酢酸にも血管拡張作用が含まれているため、血管の拡張時間が長く続いてしまうと、血管が炎症を引き起こし、ズキズキとした頭痛を引き起こします。

アデノシンが原因の二日酔いの対処法は、血管を収縮させる効果を持つカフェインやセロトニンを摂取するのがオススメです。

ですが、即効性を求めるならば、薬剤師に相談し、頭痛薬を服用して安静でいることが大切です。

脱水症状及び頻尿

アセトアルデヒドと同じく、二日酔いの原因で意外と多いのが脱水症状及び頻尿です。

アルコールには利尿作用があり、アルコールおよそ50gで約600mlから1000mlの水分が失われると言われています。
特にアルコール度数の高い日本酒などのお酒を飲んだ場合は飲めば飲むだけ水分が失われるため、脱水症状に陥りやすくなります。

アルコールによる脱水症状を改善するためには、スポーツドリンクが有効です。
スポーツドリンクは、身体に近い浸透圧の飲み物ですので、吸収が早く、排尿で失われたナトリウムやカリウムの補給に適しています。

また、スポーツドリンクが無い場合はお味噌汁でも同様の効果が得られますので、お好きな方を選択しましょう。特にしじみや魚介系のお味噌汁は二日酔いの改善に効果的です。

低血糖症

アルコールは全て肝臓で処理が行われるのですが、肝臓はアルコールの分解を始めると他の働きを一時ストップさせてしまいます。

普段、肝臓は糖分を貯蓄し、必要に応じて供給する役割を担っているのですが、肝臓にストックされた糖分量は長くても8時間しか持たず、アルコールの分解で肝臓が使われてしまうと、糖分が不足し、脳に糖分が供給されず、頭痛やだるさ、筋肉痛といった症状を引き起こします。
アルコールによる低血糖症はグルタミンによるグリコーゲン(糖)の生産不足なので、糖分を迅速に補給することで解消することができます。特に果糖は速やかに補給と吸収が行えるため、100%のフレッシュジュースをコンビニにふらりと立ち寄り、1本購入しておくと良いでしょう。

ちなみに、酸性のリンゴジュースは二日酔いに良くありませんので、オレンジジュースやグレープフルーツジュースを飲むようにしましょう。朝ごはんにコーンフレークなどの炭水化物摂取するのもオススメです。

アセトアルデヒド

二日酔いの原因No.1のアセトアルデヒドは、日本人に多い二日酔いの原因と言われています。

日本人はALDHの活性及び分泌が弱い傾向にあるため、アルコールの分解は終わっていてもアセトアルデヒドの分解が終わらず、翌日まで持ち越してしまうことで二日酔いを引き起こしています。

アセトアルデヒドによる二日酔いの対処法は、解毒に有効なひまわりの種やごま、しじみを摂取することです。

胃の塩酸分泌

アルコールには胃酸の分泌を促進させる働きがあるため、胃酸過多に陥りやすくなります。そのため、吐き気や食欲不振などの症状が現れると言われています。

胃酸の分泌を抑えるには、生姜をすりおろしてしょうが汁にして飲むのがオススメです。しょうが汁が苦手な方はスープに入れて味を誤魔化すのも良いでしょう。

また、食用の重曹を購入し、水200mlに対し小さじ1杯から2杯ほど加えて溶かして飲むのも有効です。
重曹には、体内の酸性度を低減させる働きがあるので、消化不良や痛風の尿酸結晶溶解などに効果があります。

日本酒は醸造酒というジャンルのお酒であり、複数のアルコールや不純物が多く含まれており、これが独特な香りや味わいを生んでいます。
そのため、不純物の少ない蒸留酒と比べると二日酔いしやすいので適量を守り飲酒するように心掛けましょう。

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