関東地方の酒造好適米①

関東地方の酒造好適米をご紹介 【その1】

今回ご紹介する関東地方の酒造好適米は、本州の東部に位置する茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・東京都の1都5県で生産されているオリジナル品種になります。
関東地方では主に東部に位置する茨城県と千葉県を中心に農業が盛んに行われています。特にこの2県は日本国内でも農業粗生産額の上位に入っており、北西部に位置する群馬県や埼玉県、栃木県でも農産業が積極的に行われています。特に千葉県の農業生産額は北海道に次ぐ全国2位となっており、野菜の生産額は全国1位となっています。

そんな関東地方ではその土地ならではのオリジナル酒造好適米が誕生しており、個性豊かな日本酒が醸造されています。
では、いったいどのような種類や品種の酒造好適米が存在するのでしょうか。

茨城県
五百万石・ひたち錦・美山錦・山田錦・若水・渡舟(合計6種類)

栃木県
五百万石・とちぎ酒14・ひとごこち・玉栄・美山錦・山田錦・若水(合計7種類)

群馬県
五百万石:舞風・若水・改良信交(合計4種類)

埼玉県
さけ武蔵(合計1種類)

千葉県
五百万石・総の舞(合計2種類)

神奈川県
若水・山田錦(合計2種類)

東京都
(合計0種類)

山梨県
吟のさと・玉栄・ひとごこち・夢山水・山田錦(合計5種類)

なお、関東地方と中部地方双方に属する山梨県ですが、今回は関東地方としてご紹介させて頂きます。

では、関東地方のオリジナル酒造好適米をご紹介しますが、今回も種類が多いため、2度に分けて解説致します。

関東地方の酒造好適米をご紹介

関東地方でもやはり、山田錦や五百万石、美山錦の生産が行われており、非常に人気の高い品種だということが明らかですね。ですが、今回はメジャーな酒造好適米ではなく、その地方ならではの酒造好適米をご紹介します。

舞風

群馬県のオリジナル酒造好適米の舞風は、群馬県酒造組合と群馬県農業技術センター、そして群馬県産業技術センターが平成18年にプロジェクトチームを発足し、平成23年に品種登録された新しい酒造好適米です。
舞風が誕生したのをきっかけに、群馬県生まれの酵母「群馬酵母」と共に醸造を行った生粋の群馬生まれの地酒造りが出来るようになり、現在群馬県に存在する蔵元18社がこの2つの酒米と酵母に加え、群馬県の名水を用いた群馬県一色の日本酒造りを行っています。
そのため、舞風100%使用した特定の銘柄には舞風ブランドの証であるシンボルマークが貼られており、品質と安全を保証しています。

是非群馬県オリジナルの酒米「舞風」を100%使用した日本酒を味わってみたいという方は、松尾酒造の「平井城 舞風 超辛純米吟醸」がオススメです。舞風はキレ味抜群な酒米ですので、清らかで美しい日本酒となっています。おそらく松尾酒造の「平井城 舞風 超辛純米吟醸」は舞風ブランドの中でもトップクラスの辛口ではないでしょうか。

若水

群馬県は昔「毛野国(けのくに)」と呼ばれており、その後「上毛野国」となり、奈良時代には「上毛(じょうもう)」という名で親しまれていました。群馬県は古くから稲や麦の生産が盛んに行われていたため、穀物の芒からこのように呼ばれていたと言われています。
若水という酒造好適米は昭和47年に愛知県で発見されているのですが、群馬県産の若水は、米粒のサイズが大きくて酒造りには欠かせない心白が豊富に現れるのが特徴で、平成3年に関東地方で初めて若水が酒造好適米として認定されました。

群馬県産の若水を100%使用した日本酒を嗜んでみたいという方は、聖酒造株式会社の「若水 特別純米 本生原酒【冬季限定】」がオススメです。群馬県産の若水を100%使用し、精米歩合60%に磨いた日本酒は、爽快かつキレのある喉越しと若水の持つしかりとしたお米の旨味が感じられる清酒です。本生原酒という言葉通り、フレッシュな搾り立ての吟醸香が堪りません。

総の舞

千葉県オリジナルの酒造好適米「総の舞」は、1993年に白妙錦と中部72号を交配させ、世代促進育種法に基づき、集団養成及び個体選抜・系統選抜が行われ、2001年に誕生した優良品種です。総の舞は千葉県で育成することを目的としており、千葉県で生産された酒米を使用して吟醸酒を醸造したいという酒蔵の要望を叶えるために誕生した品種です。
総の舞は若水と比較されることが多く、粗タンパク含有量は若水よりもやや多いが、山田錦と同じく蒸米の消化性は低いのが特徴です。心白の発現率は70%から90%であり、線状に現れます。

そんな総の舞100%の日本酒を飲んでみたいという方は、木戸泉酒造株式会社の「木戸泉 秋あがり 純米酒」がオススメです。千葉県いずみ市産の総の舞100%使用しており、精米歩合65%で醸造された清酒はひと夏越えたことによって凝縮された旨味を感じることが出来るため秋に旬を迎える食材と共に召し上がって頂きたい清酒です。

玉栄

1965年に愛知県で誕生した「玉栄」は、現在山梨県や栃木県、富山県、和歌山県、滋賀県、鳥取県などで生産されており、山田錦と同等の巨大な米粒サイズを持つ酒米として人気があります。しかし、心白の発現が若干低いため、高級酒である吟醸酒の醸造には不向きと言われています。ですが、熟成すると玉栄独特の香りや味わいが現れるため、人気の高い酒造好適米です。山梨県のオリジナル酒造好適米ではありませんが、山梨県産の玉栄を使用した日本酒も愛知県に負けないほど絶品となっています。

山梨県産の玉栄100%使用した日本酒を飲んでみたいという方は、山梨県の地酒を醸造及び販売を行っている酒田酒造株式会社の「上喜元 特別純米 玉栄・たまさかえ 限定品」がオススメです。吟醸に向いていないと言われている玉栄を55%まで磨き上げ、吟醸酒として醸した酒田酒造力作の清酒は、瑞々しくてフルーティーな香りが漂い、玉栄の旨味が最大限引き出されているため、飲みごたえもバッチリあります。暑い夏にグイっと1杯嗜みたくなる日本酒と言えます。

今回は関東地方で生産されている酒造好適米をご紹介させて頂きましたが、いかがでしょうか。玉栄は愛知県で誕生した酒米ですが、栃木県や山梨県といった関東地方でも栽培が行われており、愛知県で玉栄を用いて醸された清酒とは、また違った味わいが楽しめますので、是非1度飲み比べてみてはいかがでしょうか。

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