東北地方宮城県福島県の酒造好適米

東北地方「宮城県・福島県」で生産されている酒造好適米をご紹介します。

宮城県は奥州山脈の麓まで広がる広大な平野を有しており、そこでササニシキやまなむすめ、つや姫といった稲作が盛んに行われています。さらに世界三大漁場の1つとして有名な三陸沖漁場が近くにあるため、気仙沼港や石巻漁港、塩釜漁港の特定第3漁港を含む142の漁港が存在します。

福島県は北海道や岩手県に次ぐ第3位の面積を誇る県です。福島県では、福島市などを中心に水稲やフルーツなどの農産物が、南東部にあるいわき市では鰹、中部にある郡山市では養殖鯉といった水産業が盛んに行われています。

では、自然環境が整った2つの東北地方で生産されている酒米をご紹介します。

宮城県と福島県で生産されている酒造好適米をご紹介

宮城県と福島県で生産されている酒造好適米は、宮城県が蔵の華・ひより・美山錦・山田錦の4種類、福島県が五百万石・華吹雪・美山錦・夢の香の4種類です。
山田錦・美山錦そして五百万石の3品種は宮城県と福島県でも栽培が行われており、非常に人気の高い酒米ということが窺えます。

では、定番の酒造好適米ではなく、宮城県と福島県のオリジナル酒米をご紹介してゆきたいと思います。

蔵の香

1992年に宮城県酒造組合が催した酒フォーラムをきっかけに宮城県古川農業試験場と蔵元、そして酒米農家が手を取り合って試行錯誤の末誕生したのが「蔵の香」です。山田錦と東北140号の交配種です。蔵の香の特徴は、山田錦よりも穂の丈が短いため耐倒性が高く、さらに耐冷性や耐病性にも強いことです。米粒のサイズも大きくて、酸度とアミノ酸のgな乳率も低く、低タンパクですので、雑味の少ない爽快な味わいの日本酒となります。

宮城県オリジナルの酒米「蔵の香」を100%味わいたい方は、浦霞醸造元株式会社 佐浦の「蔵の香 純米吟醸 浦霞」がオススメです。宮城県でしか販売されていない限定酒ですが、宮城県で生産されているオリジナル酒造好適米の蔵の香を精米歩合55%で醸造した日本酒は、香りと甘みのバランスが絶妙で程好いため、1度味わうと癖になります。

ひより

宮城県北東部に位置する石巻市は北上川の河口に位置するので、古くから仙台藩の米の積出港として知られています。そんな石巻市にはオリジナルの酒造好適米が存在します。
それが「ひより」です。
ひよりは、大吟醸専用の酒米として農家の方々が知恵と技術を結集させて完成した品種で、山田錦とササシグレの交配種であり、石巻市を中心に生産されている酒米です。平成16年に宮城県の酒造好適米として認可されて以降、需要が高まっています。

宮城県石巻市のブランド酒米「ひより」を100%楽しみたいという方は、新澤醸造店の「愛宕の松 純米大吟醸(ひより)」がオススメです。他の日本酒と比べて立香には派手さはありませんが、含香はバナナのような穏やかで優しく、飲み進めると徐々に香りや味わいが変化するため、飽きのこない日本酒となっています。
また、阿部勘酒造店の「阿部勘純米吟醸 ひより」は新澤醸造店とは違い、お米の強い旨味がしっかり感じられる日本酒となっておりますので、ご自身に合った日本酒を購入すると良いでしょう。

夢の香

福島県は、浜通り・中通り・会津の3地方に分けられており、それぞれの地域で風土が異なります。そのため、古くから酒の名産地として知られており、現在でも福島県といえば日本酒と言われるほどです。そんな福島県には今までオリジナルの酒造好適米が存在せず、どうしても福島県オリジナルの酒米を使って日本酒を造りたいという蔵元の願いを叶えるため、福島県の方々が手を取り合い、厖大な予算と時間を費やし、試行錯誤の末ようやく誕生したのが「夢の香」です。
夢の香は、八反錦と出羽燦々の交配種であり、耐倒性や耐冷性などに強い抵抗があり、酒米のトップ争いを繰り広げている五百万石よりも心白の発現が良く、米粒のサイズも大きいうえ、吸水性に優れているため、醪で溶けやすい軟質性の酒造好適米です。

福島県オリジナルの酒米「夢の香」を100%使用した日本酒を飲みたい方は、国権酒造株式会社の「特別純米酒 國権 夢の香」がオススメです。2000年から水稲奨励品種に採用された夢の香は、現在では安定した生産量となり、地元ブランドの酒米100%使用した醸造が可能になったために実現した日本酒がこの清酒です。瑞々しいフレッシュな味わいは爽快感と柔らかな口当たりが特徴の日本酒となっています。ふわっと広がる夢の香の旨味を堪能できる至高の逸品です。

今回は宮城県と福島県の2県で生産されているオリジナル酒米をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。東北地方も残り2県となりました。次はいよいよ秋田県オリジナルの酒造好適米をご紹介します。

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