関西地方大阪府奈良県和歌山県の酒造好適米

関西地方の酒造好適米をご紹介【大阪府&奈良県&和歌山県】

関西地方の酒造好適米のご紹介もいよいよ最後となりました。
最後は大阪府・奈良県・和歌山県のオリジナル酒造好適米をご紹介したいと思います。
今回ご紹介する1府2県で生産されている酒造好適米は以下の通りです。

大阪府
雄町・五百万石・山田錦(合計3種類)

奈良県
露葉風・山田錦(合計2種類)

和歌山県
山田錦・五百万石・玉栄(合計3種類)

大阪府や和歌山県で生産されている酒造好適米は、岡山県や兵庫県、新潟県に愛知県のオリジナル酒造好適米であり、まだオリジナルの酒造好適米は存在しないようです。
そこで今回は、奈良県のオリジナル酒造好適米「露葉風」をご紹介したいと思います。

奈良県の酒米+番外編

露葉風

露葉風は「つゆばかぜ」と読み、奈良県のオリジナル酒造好適米です。白露と早生双葉の交配種であり、育成地は愛知県となっています。純正の奈良県ブランドの酒米ではありませんが、2015年現在、露葉風は奈良県のみが奨励品種として登録しており、今では名実共に奈良県ブランド酒米として広く認知されています。
露葉風は米粒のサイズが大きく、日本酒造りに重要な心白の発現率も良好なため、奈良県内で山添村を中心に生産されています。奈良県は皆さんもご存知の通り日本酒発祥の地として知られており、地元産のお米や水をふんだんに使用した絶品清酒が数多く存在します。

露葉風を100%使用した日本酒を味わってみたいという方は、油長酒造の「風の森 露葉風70% 純米しぼり華 無濾過生原酒」がオススメです。露葉風を用いた日本酒を造っている酒蔵は少なく、奈良県内でも数蔵しかなく、貴重な酒米となっています。露葉風はかすかに感じる甘くて清新な香りときめ細かくてなめらかな物馴れぬ味わいと落ち着いた風情のあるコクが口の中に伸び広がるため、1度飲んだら癖になります。さらに、心地良くさっぱりとした爽やかな酸味と後味にほんのりと新酒独特の甘さが広がる絶品清酒となっています。

【番外編】造酒錦

日本酒通の方ならばご存知かと思いますが、昭和30年頃に山田錦が人為的ではなく、自然に変異した品種の中から、優秀な系統の酒米を選び、1958年に「酒米岡山一号」として品種登録が行われました。しかし、実用的な生産は行われず、岡山県の農事試験場で大切に品種保存されていました。その後、白菊酒造の手によって10年という長い歳月をかけて復活させたのが造酒錦です。読み方は「みきにしき」と言います。

現在では、白菊酒造から「大典白菊 純米酒 造酒錦」という名で醸造及び販売が行われています。白菊同様、白菊酒造のみでしか味わうことの出来ない日本酒となっています。

いかがでしたか?
奈良県は日本最古の銘醸地として、飲みやすくさっぱりとした爽やかな味わいを持つ日本酒として定評があります。また、和歌山県はコッテリとした深いコクを持つ日本酒となり、大阪府は奥行きのあるすっきり爽快な味わいを持つ日本酒となっています。
それぞれの地域が持っている特徴によって、香りや味わいが変化するので関西地方の日本酒を飲む際は、是非酒米だけではなくその土地の特徴から選択すると良いでしょう。

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