夏になると飲みたくなる冷酒には、雪冷えや涼冷えなど様々な種類がありますが、冷蔵庫で数時間冷やし、触れるとすぐにひんやりとした感触が指に伝わるほど冷たい日本酒を「花冷え」と呼びます。
花冷えとは、桜が咲く頃に寒さが戻って冷え込むことを指す言葉で、日本酒の世界では10℃前後に冷やしたお酒のことを表します。
花冷えの日本酒は、香りが小さく控えめになり、まとまりのあるキメ細やかな味わいが特徴です。主に爽酒を冷酒にする際に用いられる温度であり、暑気払いの定番のお酒となっています。
では、花冷えにオススメの日本酒をご紹介します。
花冷えにオススメの日本酒と酒器
【純米大吟醸 ささにごり 無濾過・生原酒】
灘菊酒造にて季節限定で販売されている「純米大吟醸 ささにごり 無濾過・生原酒」は、兵庫県で生産されている「酒米の王様」こと山田錦を40%まで丁寧に磨き上げた逸品です。
純米大吟醸の搾りたてをそのまま瓶詰にした400本限定のお酒のため、日本酒ファンの方の間では時期が近くなると、今か今かと期待に胸を躍らせるそうです。
優雅で気品溢れる純米大吟醸 ささにごり 無濾過・生原酒は、8℃から10℃の花冷えで嗜むのがオススメです。
ボトルも爽やかなブルーをしているので、贈り物にも最適です。
【大吟醸「酒造之助」】
灘菊酒造といえば、先ほどご紹介させて頂いた「純米大吟醸 ささにごり 無濾過・生原酒」も人気がありますが、創業者の実弟で「フランス柔道の父」として有名な石川酒造之助の生誕100周年を記念して2000年に発売された「大吟醸 酒造之助」は、灘菊酒造が持っている優れた知識や技術を用いて醸された渾身の力作です。
大吟醸 酒造之助には、兵庫県で生産されている山田錦の中でも特々ランクのお米を100%使用しており、35%まで丁寧に磨き上げ、およそ2か月かけて手間暇を惜しまず、熟練の職人の手によって丁寧に醸して造られています。
華やかさと気品溢れる優雅な香りと豊潤で奥深い旨味を併せ持つ日本でも最高峰クラスと呼ばれるお酒として日本酒ファンの間でも話題となっており、品薄状態が続いています。
ぽってりとした可愛らしいボトルですので、女の子たちにもオシャレで可愛いと人気です。
大吟醸 酒造之助は、8℃から10℃の花冷えで嗜むのがオススメされており、すき焼きやクルマエビのバター焼きなどを肴に大切な方々との有意義な時間を過ごしてみませんか。
【利休梅】
大門酒造から発売されている「利休梅」には、純米吟醸・濾過非加熱 純米吟醸・もろみ入り無濾過非加熱 純米吟醸のパターンあり、そのなかでも花冷えとして嗜むのにオススメなのが「利休梅 純米吟醸」と「利休梅 新酒生酒 濾過非加熱 純米吟醸」の2タイプです。
利休梅 純米吟醸は、低温でじっくり発酵させる吟醸造りで醸されており、軽やかで心地良いキレのある日本酒となっています。一方、利休梅 新酒生酒 濾過非加熱 純米吟醸は、吟醸造りまでは同じなのですが、非加熱タイプですので、フレッシュな口触りが楽しめる純米酒となっています。
まろやかな香りとシンプルな味わいが特徴のお酒ですので、利休梅 純米酒ならば花冷えから人肌燗、利休梅 新酒生酒ならば花冷えから常温で嗜むのがオススメです。
シンプルなお豆腐料理と共にいかがでしょうか。
花冷えにオススメの日本酒をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
花冷えは、軽快でなめらかな風味を持つ爽酒にオススメの温度ですので、温度の変わらないうちに飲み切れるサイズの小さな酒器がオススメです。形状は細身でラッパのような香りを捉えることができる酒器を選ぶと良いでしょう。