涼冷えにオススメの日本酒

今では一家に1台必ずある冷蔵庫ですが、日本酒が誕生した時代には無かったため、昔は燗酒にしない日本酒を「冷や酒」と呼んでいました。
そのため、昔から「冷や・日向燗・人肌燗・ぬる燗・上燗・熱燗・飛び切り燗」という呼び名は存在したのですが、冷やよりも低温である「涼冷え・花冷え・雪冷え」は、1980年代に一大ブームとなった吟醸酒や冷蔵庫の普及に伴って誕生した呼び名のため、冷酒の歴史は浅いことが分かります。

まだまだ歴史の浅い冷酒のなかから、今回は「涼冷え」についてご説明したいと思います。

涼冷えとは、冷や酒(常温)よりも5℃低い15℃前後の日本酒のことで、冷蔵庫で冷やしておいた日本酒を取り出し、暫く常温に戻し、手に持った際にひんやりとした冷たさを感じる温度になった清酒の呼び名です。
涼冷えにすると、華やかな香りが立ち、穏やかでとろみのある味わいが愉しめるため、吟醸香が薫る大吟醸酒や吟醸酒が属する薫酒を嗜む際に適した温度と言われています。

さて、そんな涼冷えにオススメの日本酒を一挙ご紹介してゆきたいと思います。

涼冷えにして飲むとおいしいオススメの日本酒

【福小町 純米大吟醸】

木村酒造にて醸されている「福小町 純米大吟醸」は、「酒米の王様」と称される最高級酒米の山田錦を40%まで磨き上げ、ふっくらとした香りを漂わせる純米大吟醸です。
ゆったりとした穏やかな時間を過ごしたいときに最適なお酒となっており、とても優雅な香味を持っています。
福小町 純米大吟醸は、柔らかくふくらんだ甘みが口の中いっぱいに優しく広がり、品格の高い銘酒の風格を感じさせながらもデリケートな一面を持つお酒となっています。
非常に調和の取れた美しいお酒ですので、贈答品として人気があり、大切な方と充実した時間を過ごしたいときにもピッタリです。
福小町 純米大吟醸は、15℃前後の涼冷えで嗜むのがオススメされており、初夏から晩夏にかけて活躍できる日本酒です。

【にごり酒(活性酒)】

創業当時から広島県の地酒を造り続けている八幡川酒造にて醸されている「にごり酒(活性酒)」は、10月から翌年の3月にかけて期間限定で発売される日本酒です。
にごり酒(活性酒)は、醪を熟成させたまま網で濾しただけの活性酒なので、生酒特有の香りや味わいを持っており、酸とアミノ酸の絶妙なバランスと爽やかな喉越しが堪りません。
にごり酒(活性酒)は甘口なので、女性の方でも比較的飲みやすく、15℃前後の涼冷えで嗜むのがオススメです。また、寒さの厳しくなる12月から翌年の2月は20℃前後の冷や(常温)で飲んだり、こたつでまったりと晩酌を楽しむ場合は10℃前後の花冷えで嗜むのも良いでしょう。

【純米辛口「伝」】

清龍酒造にて醸されている「純米辛口 伝」は、飲み続けても飲み飽きない日本酒です。
純米辛口 伝は、お米と米麹のみで醸された清酒のため、お米のみで造られた純米酒好きには堪らない逸品です。
純米辛口 伝の原材料であるお米は60%まで磨き上げられ、仕込みに用いられる酵母菌は吟醸酵母である901号酵母ですので、非常に酒質の良い純米酒となっています。
また、25日から30日かけて低温でじっくり仕込んで醪を作っています。さらに、貯蔵期間は11か月から12か月の長期熟成のため、清龍酒造のこだわりがギュッと詰まったお酒です。
純米辛口 伝は、飲み飽きしないよう、旨味のある辛口に仕上がっており、食中酒に最適な日本酒です。ほんのりと冷やした涼冷えで召し上がるもよし、45℃の上燗にするもよしと幅広い温度で嗜むことができるので、通年楽しめます。

涼冷えにオススメの日本酒をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

涼冷えは冷酒のなかでも15℃と温度が高いお酒ですので、ガラス製の酒器だけではなく、陶器や金属など様々な素材の酒器で楽しむことができます。
また、涼冷えの場合、薫酒に属する日本酒を楽しむ温度に適しておりますので、口が広く、香りを堪能できるラッパ型の酒器がオススメです。

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