フィンランドの七夕伝説|七夕の歴史や由来

スカンジナビア半島の頸部を占めるフィンランドは、バルト海の一番奥に位置し、ヨーロッパ6大州のなかで、最も日本に近い国として知られています。
フィンランドといえば、日本でムーミンやサンタクロースの故郷として有名であり、フィンランドに住む人々は自分たちの国や民族を「Suomi (スオミ)」と呼んでいます。
Suomiとは、湖や池を意味する「Suo」が語源となっており、その名のとおりフィンランドは、国土の80%を森林が占めており、18万を超える湖沼などの自然から成る自然豊かな国なのです。

そんな美しい自然が残るフィンランドには、日本と同じく七夕伝説がございます。
フィンランドの七夕伝説はロマンティックで切ない夫婦の物語となっています。

フィンランドの七夕伝説

むかしむかし、あるところにズラミスとサラミという、たいへん仲の良い夫婦が暮らしていました。
2人はとても仲が良かったため、いつも一緒に居たのですが、死ぬときだけは一緒に居ることができませんでした。

ズラミスとサラミは、亡くなった後、それぞれ別々に天へと昇り、夜空に輝く星となったのです。
しかし、2人の星は遠く離れており、2度と会うことができなくなってしまったのです。

ですが、ズラミスとサラミは、とても深く愛し合っていたため、死んだ後も一緒に居たいと強く願いました。
そこで、2人は夜空を漂う星屑を一生懸命集め、2人の星のあいだに光の橋を作って会おうと決めたのです。

それから毎日2人は休むことなく星屑をすくっては集め、すくっては集めを繰り返し、橋を造り続けたのです。

橋を作り始めてから、1年が過ぎ、もう1年、さらに1年と、どれだけ時が流れようとも2人は決して諦めることなく来る日も来る日も橋を作り続けたのです。

こうして1000年の時が過ぎ、ようやく2人のあいだには立派な橋が架かったのです。
そう、2人が一生懸命作っていたキラキラと眩い光を放つ美しい橋は、私たちが良く知る「天の川」だったのです。

ズラミスとサラミは一生懸命作った天の川を渡り、大犬座の首星“シリウス”のところで、1000年の時を超えて再び会うことが出来たのです。
2人はあまりの嬉しさに涙をながし、ギュッと抱き合いました。

こうして2人は、星となった今でも夜空で煌煌と美しく輝きながら仲良く暮らしているそうです。

フィンランドのロマンティックで切ない七夕伝説をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
死してなお共に居たいと思う夫婦の強い想いは、離婚率が年々高くなっている現代日本では、このような絆を見かける機会は、ほとんどありません。
フィンランドの七夕伝説は、離婚率の高い日本人の心に深く響くものがございますので、この機会に家族や恋人と共に読んで、2人の愛を再確認してみてはいかがでしょうか。

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