お中元の贈り方ですが、手渡しと宅配の2タイプございますが、本来のお中元は、お相手のご自宅へ伺い、感謝の言葉と共に手渡しするものです。
しかし、仕事の都合などでどうしてもお中元を手渡しすることができないという方は、宅配業者を利用して代わりに届けてもらうという方もいらっしゃいます。
むかしは「宅配業者に頼むとは何事か!」と非難されておりましたが、最近ではデパートやインターネットなどでお中元を購入し、直送するのが一般的となってきたため、宅配業者を利用するのは非常識だという方も少なくなってきました。
ですが、お中元を手渡しする場合と宅配業者に届けてもらう場合とでは、多々マナーが異なることをご存知ですか。
今回は、手渡しと宅配によるお中元の贈り方について分かりやすく解説して行こうと思います。
お中元の贈り方【手渡し編】
お中元を昔ながらの手渡しで贈ろうとお考えの方は、熨斗紙の水引が5本もしくは7本の紅白花結びのもの選び、表書きの上部分に「御中元 (お中元)」、下部分には贈り主であるあなたの氏名を書いておきます。
訪問する数日前に相手の方に連絡を取り、お相手の方の都合の良い日時を確認しておきましょう。
そして、訪問当日に再度連絡をし、今から伺うということを伝えます。
訪問時間は、10:00~11:00・14:00~16:00のあいだがオススメですが、先方が午前9時に来てほしいと時間を指定されている場合は、必ずその時間に伺うようにしましょう。
お中元を手渡しする場合は、訪問前に品物を風呂敷などで包んで持って行くのがマナーですが、購入した際にキレイな紙袋へ入れてもらった際は、そのまま持参しても問題ありません。
お相手のご自宅に到着したら、玄関でいきなり品物を渡すのではなく、お部屋に通され、きちんと挨拶を交わした後に渡すようにしましょう。
ただし、急な訪問の際はお部屋に入らず、玄関で渡しても問題ありません。また、冷蔵や冷凍が必要な食べ物や生鮮食品の場合は、その旨を伝え、玄関で渡すのが常識となっています。
渡し方ですが、まず品物を紙袋もしくは風呂敷から取り出し、1度自分の方へ名前が正しく読める正面を向けて置きます。
これは、品物に不備が無いかどうかを確認するためのものですが、入念に確認し過ぎてしまうと、お相手の方も困惑してしまうので、サッと確認する程度に留めましょう。
品物に粗相が無いことを確認したら、時計回りに90度回転し、さらに90度回してお相手の方に品物の正面がくるように向けて差し出します。
和室でお中元の受け渡しを行う場合は、両手で畳の上を滑らせるように差し出すのが礼儀です。
紙袋や風呂敷は品物にホコリなどが付かないようにするためのものですので、そのまま渡すのは御法度です。
ただし、ビジネスシーンでは紙袋のまま手渡しした方が喜ばれることがありますので、臨機応変に対処しましょう。
紙袋に入れた状態で手渡す場合は、紙袋の下部分と取っ手の付け根あたりに手を添え、「紙袋のまま失礼致します。」という言葉を添えて、お相手の方が受け取りやすいようにそっと差し出すのがポイントです。
お中元を渡す際にかける言葉
お中元を手渡す際、無言で渡すのはマナー違反です。
お中元を贈る際の決まり文句として「つまらないものですが」という言葉が用いられておりますが、できれば感謝の言葉を添えて渡すのがオススメです。
例えば、
・日頃、いろいろとお世話になっております。心ばかりのものですが、お届けに上がりました。
・いろいろとお世話になっております。お好みに合うと思い、こちらを選びました。
・かたちばかりですが、お礼の気持ちでございます。
もし、持参した品物の賞味期限が短い場合は、「お早めにお召し上がりください」という言葉を添えると、お相手の方も安心するかと思います。
お中元の贈り方【宅配編】
お中元を宅配業者に届けてもらう場合、熨斗紙は必ず「内のし」にしてもらいましょう。
お中元の熨斗は、本来「外のし」が基本なのですが、宅配業者を利用する場合、外のしにしてしまうと、他の荷物とこすれ合って、のしが破れてしまったりすることがあります。
それを防ぐために、お中元を宅配する際は、お中元の品物に熨斗をかけ、その上から包装紙で包んでもらうようにしましょう。
宅配業者を利用する場合は、お中元を贈る前に必ず挨拶状を送りましょう。
挨拶状は、日頃のお礼や感謝の気持ち、あなたの近況報告などを書いて贈るものです。
挨拶状の贈り方ですが、お中元と一緒に贈る場合はお中元を購入したお店の方に挨拶状を同封してほしい旨を伝え、お中元を贈る前に郵便で挨拶状を送る際は、お中元を贈ったことを申し添えるのがマナーです。
また、お相手の方がお出掛けの際は、挨拶状を持参して行くようにしましょう。
今回はお中元の贈り方についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
お中元を贈る方法は2種類ございますが、手渡しできる範囲にお住いの方には、出来る限り直接訪問してお渡しするようにし、どうしても会いに行くことができない場合のみ宅配を利用するようにしましょう。