中国地方島根県の酒造好適米

中国地方の酒造好適米【島根県】

中国地方の1つである島根県は出雲・石見・隠岐の三国から成る県です。
日本酒と島根県の関係は古く、スサノオノミコトがヤマタノオロチに酒を飲ませ、酔わせてクシナダヒメを救出し、その大蛇の尾から天叢雲剣を得たという伝説が残っています。
島根県の平田市にある佐香神社には酒造りの神が祭られており、出雲国風土記には佐香に神々が集まり、酒を造り、180日間酒宴を開催するといった記述があります。
それほど島根県と日本酒には深い繋がりがあるのです。

そんな島根県では数多くの酒造好適米が生産されており、オリジナル酒造好適米も数多く存在します。島根県で生産されている酒造好適米を下記にまとめてみました。

島根県
改良雄町・改良八反流・神の舞・五百万石・佐香錦・山田錦(合計6種類)

それでは、島根県のオリジナル酒造好適米をご紹介したいと思います。

島根県のオリジナル酒米四種

改良八反流

八反流2号と農林44号の交配によって誕生した改良八反流は、長稈で耐倒伏性が低かったことや耐病性が低いことから、一時生産がストップしてしまった過去があります。しかし、日本酒発祥の地として知られる島根県で古くから生産されており、この土地でのみ生産されていた正真正銘のオリジナル酒米であった改良八反を復活させるべく、島根県の人々が手を取り合い、遂に長い歳月をかけて改良八反流が平成7年に見事復活を果たしたのです。
改良八反流は粒が大きく心白の揃いが良好なため、非常に酒造適性の高い品種と言われています。

改良八反流を100%使用した日本酒を味わいたいという方は、一宮酒造の「石見銀山 特別純米 幻の酒米 改良八反流」がオススメです。原材料は、米(国産)・米麹(国産米)とありますが、非常に栽培の難しいと言われる幻の復活米・改良八反流を100%使用した特別純米酒です。日本酒の香り高い香気が漂い、お米のコクがしっかり感じられる味わいが特徴t系な清酒となっています。

佐香錦

昭和60年に幻の酒米・改良八反流と金紋錦を交配させて誕生した佐香錦は、高級酒専用の酒米を目的として開発された品種です。当時日本酒の需要は高級酒である吟醸酒や純米酒の生産量が増加していたため、それに伴い山田錦の需要が高まったのです。しかし、当時の島根県では山田錦の栽培が困難だったため、島根県で醸造される高級酒などは他県で生産された山田錦を使用するしかありませんでした。そんなとき、島根県内の蔵元から島根県オリジナルの高級酒用の酒米を開発してほしいという強い要望があったため、島根県オリジナルの改良八反流の特性を持った優れた酒造好適米の開発が行われ、現在に至ります。
佐香錦は米粒が極めて大きく、改良八反流や五百万石よりも心白の発現率がやや高いため、酒造適性は高いのですが、心白が大きいが故に割れやすくタンパク質の含有量は五百万石と改良八反流の丁度真ん中となっています。

佐香錦を100%使用した日本酒を購入したいという方は、株式会社右田本店の「宗味 佐香錦 特別純米酒」がオススメです。原材料には、米(国産)・米麹(国産米)と表記されておりますが、島根県が推奨の佐香錦を100%使用しておりますので、心行くまで佐香錦の香りと味わいを堪能出来ます。現在、島根県では佐香錦を100%使用した日本酒が数多く存在し、各酒造メーカーが競い合い、個性豊かな素晴らしい佐香錦の清酒が醸造及び販売されておりますので、この機会に飲み比べてみてはいかがでしょうか。

改良雄町

比婆雄町と近畿33号の交配種である改良雄町は、島根県では広く親しまれている酒造好適米です。改良雄町は広島県でも生産されておりますが、広島県では改良雄町ではなく「広島雄町」という名称で生産されています。
改良雄町と雄町の違いは、耐倒伏性です。改良雄町は雄町の耐倒伏性を克服しており、心白の発現率もやや高めとなっています。しかし、心白のサイズが大きいため、醸造の際に溶けやすく、扱いづらい品種でもあります。改良雄町は島根県のみで生産されており、島根県オリジナルの酒造好適米と言われています。

改良雄町を100%使用した日本酒を堪能したい方は、青砥酒造の「蒼斗七星 改良雄町65 うすにごり」がオススメです。
蒼斗七星は控えめな香りにも関わらず、グッとくる辛口タイプの日本酒となっているのですが、飲み進めると蒼斗七星らしい甘さと旨味も感じられるため、とてもボリューミーな清酒となっています。また、ボトルもオシャレなデザインですので、女性への贈り物としても最適です。

神の舞

昭和60年に五百万石と美山錦を交配させて誕生した島根県のオリジナル酒造好適米の1つ神の舞は、耐冷性といもち病への耐性が低い五百万石の欠点を補うために美山錦の持つ性質を加えた水稲新品種です。神の舞は、島根県内の標高200mから500m地点の中・山間地帯での栽培に適しています。神の舞は、粒が大きくて心白の発現率が高いこと、そして発現場所がお米の中心部で大きく現れるので、幅のあるスッキリした清々しい味わいを持つ清酒となります。

神の舞を100%使用した日本酒を飲みたい方は、青砥酒造の「蒼斗七星 純米吟醸 神の舞58 雫取り斗瓶囲い」がオススメです。上立ち香は清新で爽やかな香りとなっており、心地の良い吟醸香が楽しめます。口に含むと澄んだ旨味が広がり、渋みを帯びた辛さが程よい輪郭を保ちながらじんわりと舌を刺激します。甘さ控えめではありますが、堅固な味わいを持っているので、キリッとした後味が堪りません。また、日に日に味わいが変わるので、毎日少しずつ飲み進めることをオススメします。

日本酒発祥の地として知られる島根県で生産されている酒造好適米を4種類ご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
日本酒の発祥の地として知られるだけあり、様々な種類のオリジナル酒米があり、代々受け継がれている伝統的な酒造りが島根県の杜氏たちに受け継がれています。是非、この機会に島根県の地酒を嗜んでみてはいかがでしょうか。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする